「安保法制」とはー実質的な憲法第9条改悪  

 

 津田孝 2020.4

 

 

 

憲法第9条はもう変えられたんだよ、と言うと大概の人は驚く

 

だが、第9条に自衛隊を書き込むというのは名目的なことで、実質的には既に変えられているのだ。

 

それを元に戻す戦いが必要であることを先ず訴えたい

 

2015年9月に政府・与党が強行成立させた

「安保法制」は一見明白な憲法違反である

 

第9条の平和主義を否定し、立憲主義そのものを否定する法的クーデターである

 

歴代内閣の

 

「憲法第9条下では個別的自衛権のみ認められ、自衛隊はそのための最低限の実力である」  

 

という解釈を変更し、集団的自衛権を前提に構築されている

 

国会に喚問された与野党推薦の3人の憲法学者のみならず、元内閣法制局長官や元最高裁判事、日弁連や各地の弁護士連合会など、主だった研究者・専門家が主張した

 

国民世論においても過半の人々が反対し、各地でデモが繰り返された

 

私も数年ぶりに議員会館前や国会正門前に行き、安保法制採決反対を叫んだものである

 

「安保法制」は、具体的には米軍への後方支援の拡大であり、米軍が世界各地で戦争に介入する以上、日本がそれに巻き込まれる可能性は現実的な脅威として存在する

 

とりわけ、自衛隊員は真っ先にその犠牲者になる可能性が大きい

 

本人や家族は気が気でない

 

 

 

「安保法制違憲訴訟」 勝訴ー敗訴・控訴

 

 

そこで、全国22の地裁や支部で25件、約7,700人の原告が平和的生存権を侵害された、として国家賠償や差止めを求める「安保法制違憲訴訟」を起こしたのだ

 

北海道においても、弁護士高崎暢氏の呼びかけに応じ、412人の訴訟団が組織された

 

もちろん、私も真っ先に参加し、苫小牧市でも友人M氏が参加している

 

ところが、昨年4月の札幌を皮切りに、本年3月までに東京(2件)、大阪、高知などの各地裁が揃って憲法判断を回避、原告請求を棄却したのである

 

原告申請の証人尋問を悉く却下し、「平和的生存権は国民に保証された具体的な権利とは言えず」「人格権を脅かす戦争の危険性はない」と判で押したような判決をくだしたのだ。唖然とするほかない。

 

 

 

「違憲訴訟」へのご支援をー憲法9条を守る闘い

 

 

 

しかし、憲法違反の「安保法制」をこのまま後世に残すわけにはいかない、と各地の訴訟団は控訴をしながら全国ネットワークを構築し、広く国民的な戦いを展開している

 

それこそが我々の自由と人権を守るための

 

「不断の努力」(憲法第12条)

 

に他ならないのである

 

 

新型コロナウイルス感染症騒ぎで、現在日本いや世界中が大混乱である

 

 

だが、混乱に乗じて、反民主主義的な体制による残虐行為や人権侵害(ショックドクトリン)が行われる場合がしばしばある

 

憲法に「緊急事態条項」を書き込むなどという動きもその一つである

 

 

だが、それらに気を取られている間に、最高裁上告敗訴で「安保法制」が合憲にされてしまうことがあってはならない

 

 

この4月にも横浜とさいたま地裁で判決がある

 

 

あなたの「不断の努力」が今こそ必要である

 

 

『安保法制違憲訴訟の会』

 

安保法制違憲訴訟の会 (anpoiken.jp)