二日目は朝から快晴!テンションも上がる。朝食は簡単にすまして6時20分ごろ出発。

アプローチの大同心稜にはすでにトレースがあり、体が熱いこと以外は順調だった。大同心バンドを降りて裏同心ルンゼの最後の涸滝に着いた。ここからが1ピッチめでじゃんけんで登る順番を決める。そして、自分が最初はリードする。4級-のピッチで草付きにアックスが良く刺さるので慎重にいけば問題ない。

2ピッチ目は簡単な雪の斜面で50mいっぱいにロープを伸ばす。次も簡単そうで狭い雪の斜面を登り、凹角状の岩場を目指してコンテで登りだした。最初に、20mほどトラバース気味に斜面を横切って、次に2mほどの岩場を登り、雪の斜面に登りついた。凹角まではこの斜面を10mほど登るだけだ。

しかし、この斜面が今日一番の積雪で腰くらいまで潜る。やけくそ気味で5mくらい登ったところでついにやってしまった。

自分の2m上が割れて雪の斜面ごと流された。流されている途中で後続のkさんを一瞬確認できたがもはやどうすることもできない。ただ流されるだけだ。流されながら岩に体が何度も当たってバラバラになってしまうかと思った。2,3mほどの岩のオーバーハングを落ちたとこでロープがピンと張って止まった。kさんが止めてくれたかロープがどこかに引っかかったか。止まってkさんに無事を伝えたかったが腰に激痛が走りしばらく声も出す気になれなかった。そして、無意識にロープを解こうとしている自分に気づき、冷静さを失っていたので落ち着こうと努力する。自分は無事だと言いきかせる。

腰の痛みと気持ちが落ち着いたのでkさんに無事を伝える。kさんも無事なようでほんとよかった。kさんのところまで歩こうとすると左足首に激痛があり思うように歩けない。左足を上げようとすると左腰が痛くて足が上がられない。右足は無傷で上げても腰に痛みはないので右足だけでだましだまし歩いてkさんのところまで行った。

kさんは大丈夫と思ったがわき腹がめちゃ痛いらしい。折れてるかも・・・。


2人ともこのまま登るのはどう考えても不可能なので下山を即開始する。とりあえず、1ピッチ目の終了点まで降りてきた道を引き返すことにする。1ピッチ目の終了点までクライムダウンをしたけど左足がまともに使えず怖かった。

終了点から自分はkさんにロワーダウンで降ろしてもらい、kさんは懸垂で降りた。降りたとこには雪崩の後があったので、先ほどの雪崩はここまで落ちてきていたと分かった。降りたとこから1ピッチ目のスタート地点まで少し登った。足と腰が痛くて思うように動かず、スタート地点までの10mほどの距離でも時間がかかった。2人ともそこで少し休んで命があったことに感謝した。


そして、ここからは大同心バンドを登り返して大同心稜を下らないといけない。10mでヒーヒー行ってるのでこの先が絶望的に思われた・・・。