ブログご訪問ありがとうございます。


今回は”貿易赤字額過去最大の衝撃”を述べたいと思います。


今朝、財務省は2012年度(2012年4月1日~2013年3月31日)の貿易収支を発表しました。


<貿易赤字8兆1699億円、2年連続で過去最大>

(読売新聞4月18日(木)8時59分配信)


<2012度の日本の貿易額>

(輸入総額=72兆1108億円)-(輸出総額=63兆9409億円)=▲8兆1699億円(赤字)


<海外から見た日本への投資>

そんなに大袈裟に書かなくても良いと思うかもしれませんが、海外の金融機関(銀行、証券会社、機関投資家、ファンドなど)から日本の貿易赤字額を見たら日本に投資する意欲は無くなるのではないでしょうか。或いはその逆に日本から資金を引き揚げたくなるかもしれません。


<自信満々は何故?>

安倍政権は、アベノミクス効果による株高、円安、大型財政支出(2年間270兆円)で、これからデフレ脱却による日本経済再生に自信満々ですが、何処からそんな自信が湧き出るのか大きな不思議です。


ムーディーズやS&Pなど格付け会社は、このような2年連続で膨大な貿易赤字額を計上した日本の評価を下げる可能性があります。


<貿易赤字についての読売新聞の論調>

戦後、日本国内に54基の原子力発電所を強力に推進し安全宣伝してきた読売新聞は、やはり原子力発電所に代わる火力発電所への化石燃料が増えたため貿易赤字額が膨らんだと報じていますが、これはマスメディア(テレビ・新聞)が得意とする詭弁(嘘ではないが真実でもない言い方)です。


<輸入額が増えた理由>

輸入額が増えた理由は円安による為替と思う方もいるかもしれませんが、1ドル80円が90円代になったのは12月中旬からです。従って円安による輸入額増加の影響は今年の1月から3月までの分です。

輸入額が増えた要因は為替の影響よりも日本は輸出型の経済構造から輸入型経済構造に変わってきたのです。少子高齢化が急速に進む中、日本はもう輸出産業が日本経済を牽引する輸出産業型貿易立国ではないのです。

今の為替相場(円安)から見ると来年度(2013年度)の輸入額はもっと増えるでしょう。


<輸出額が減った理由>

輸出額が減った理由を読売新聞は、パナマ向けタンカーや中国向け電子部品が減ったためと報じていますが、これも得意な詭弁を使っていますので騙されないよう注意しましょう。

輸出額が減った理由は簡単です。まず財政破たん危機と景気悪化に苦しむ欧州と北米の購買力が急激に落ち込んでいるからです。何処の国でも景気が悪ければ買い替えサイクルが伸びます。私達でも景気が良い時は、新車を買い6年位まで乗り次の新しい車に買い換えていたサイクルも景気が悪化すれば収入が減ったり先行き不安ですから10年位まで乗る方や廃車まで乗る方が増えると思います。これは世界共通の消費行動です。


<中国との関係悪化が貿易悪化に繋がった>

また輸出入の貿易で一番重要な相手国だった対中国でつまずいたのが大きな要因です。昨年4月石原前東京都知事発言による東京都による尖閣諸島買取問題から始まり中国国内での反日デモ、そして昨年9月野田内閣により日本政府が尖閣諸島を買取りました。

これら石原前都知事や野田前総理の対中国政策によって中国向け輸出入が大きく悪化しました。例えば、観光目的で来日していた中国人が殆ど来日しなくなりました。これにより中国人富裕層による観光収入と国内製品の購買力が大きく落ち込んだのです。


<これから心配な格付け機関の動きと国債への連動>

今回の2年連続で膨大な貿易赤字を計上した日本に対しムーディーズやS&Pが格下げしないかが重要なポイントです。

日本の格付け評価が下がれば同時に日本国債の価値が下がります。日本国債の価値が下がれば利回りをUPさせなければ市場で売買して貰えなくなります。日本国債の利回りが上がれば日本国債を大量に保有している国内の金融機関(銀行・生保・損保・証券会社など)の運用が厳しくなります。その結果金融機関から市中へ出ている貸出金利(住宅ローン金利や融資金利)が上がるのです。


従って今回発表されたの貿易収支額2期連続の大赤字は、対岸の火事ではなく私達庶民の生活に直結するのです。


連日、株高株高と騒いでいますが、最近はNEVADAブログにも掲載されたように、日本株価が下がらないよう日銀や国のファンド(政府の身内)が日本株を買い支えているのです。

決して企業業績が好転したことによる株価上昇ではありません。また最近現物資産の王様と呼ばれた金や銀の先物相場も急落しています。

先日も述べましたが賃金が上昇する企業は人件費の総支出額は上げません。従って賃金が上がる企業ほどリストラ(人員削減)が進む企業だと思います。



このように今朝発表された日本の貿易赤字額を見ても、今の日本経済と金融は薄氷の上を歩いているのです。


このような薄氷の上を歩む日本経済、金融を案じ振り回されるよりも、自分の日頃の健康に力を注いだ方が賢明な選択だと思います。自分の身体は自分で守るしかありません。


最後までお読み頂きありがとうございました。