私達は、日頃癒しを求めに温泉に行ったり、スーパー温浴施設に行ったりします。また身体を鍛えたり健康維持のために公営プールやスポーツジムのプールに通ったりします。このような癒しを求めることや身体を鍛えること、また健康を維持することは非常に大切です。


日本には昔から湯治と言う治療法もありましたので、この健康法が間違ってるということではありません。ただし昔の温泉療法の湯治は、源泉かけ流し100%の湯でした。


現在の多くの温泉施設は、源泉を元湯から一部お裾分けしてもらい、後は加熱した水道水を足して施設内の循環装置の中を流れるのが主流です。またプールの施設は水道水を循環型にする場合が殆どです。


現在の水道法では、不特定多数を対象とした公衆浴場やプールに対して厳しい水質基準が設けられています。その基準の中で厳しい基準があります。大腸菌やレジオネラ菌や白癬菌(水虫)などの感染菌が繁殖しないよう残留塩素濃度が決められているのです。残留塩素は時間の経過とともに揮発する存在です。


普段私達が飲む水道水は、0.1ppm以上の残留塩素濃度が必要です。公衆浴場の場合は、常に0.2mmp~0.4ppm以上の残留塩素濃度が必要です。


確かに塩素が無いと雑菌が繁殖し悪環境になりますので塩素は必要です。但しここで問題なのは公衆浴場では残留塩素濃度0.2ppm~0.4pmm以上と言う、○○~以上が問題なのです。


施設を所有または管理する方は、感染病などが出て営業停止にならないように、通常の残留塩素濃度を0.8ppm位にします。また土日や祝日など混雑する日は残留塩素濃度を1.2ppm位にします。


この残留塩素濃度と塩素投入量について塩素納入業者の方が教えてくれました。


<0.4ppm→0.8ppm→1.2ppmの塩素濃度と塩素投入量>

塩素投入量は循環施設の大きさで決まるそうです。残留塩素濃度が0.4ppmの水またはお湯を0.8ppmにする場合、塩素を2倍投入しても0.8ppmにならないそうです。

0.4ppmを0.8ppmにするには0.4ppm時の10倍の塩素を入れないと0.8ppmにならないそうです。ということは残留塩素濃度が1.2ppmにするためには、0.4ppm時の100倍の塩素を投入することになるのです。


<高濃度塩素の弊害>

残留塩素濃度が高い施設は、室内の壁や設備や配管が著しく劣化します。確かに塩素は菌の繁殖を抑える殺菌作用もある面、壁や設備や配管を劣化させる一面もあるのです。

高濃度塩素のお湯や水に入った後、髪の毛がバサバサになったり、皮膚がカサカサになるのは、その高濃度の塩素が原因です。

公衆が入る温浴施設やプールに入り、身体がぐったり重くなる感じも高濃度塩素によるダメージからです。癒しを求めに行っても、残留塩素が高濃度の場合、アトピーの方は逆効果になりかねませんのでお気をつけ下さい。


最後までお読み頂きありがとうございました。