マイルスに会えた日 ≪with Miles Davis≫ | 銀次郎のギンギンぶろぐ

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千葉周辺の"ドッグカフェ探訪記"みたいなブログめざしてます。
…といいながら、
自分の好きな音楽とクルマのことばかり書いてる気がします…(^^ゞ

僕が今の会社に入って間もない頃、
(20年くらい前ですかねぇ…)
配属された部署に常駐してたソフト外注会社のY課長と、
ある時、ひょんなことからJAZZの話で盛り上がって親しくなり、
二人で一緒に、JAZZ LIVEに出かけるほどの仲になりました。
トミー・フラナガンとか、大西順子さんとか…)

…因みにY課長は当時、50くらいのハゲたオッサンです…o(_ _*)oチーン

休みの日にまで会社の上役と行動を共にするなんて、
僕的にはまずあり得ないんですが、
(なのでゴルフもしません…出世もしませんにひひ
Y課長とは会社も違えば、業務的にも殆ど接点がなかったんで、
お互いに気兼ねなく話してましたね。。。

で、このY課長、何がスゴイかって、
AVへの異常な執着
(アダルトやないで…それは俺の方か…にひひ

なんだかまるで科学者みたいに精通しており、ロボット
スピーカーとか、真空管?とか、あんなものやこんなもの…
全部自分で作っちゃう人なんです。。。
フツーの(事務系)会社員ですよビックリマーク

僕自身はそのあたりは殆ど無頓着で、
CDラジカセがひとつあったらええやん…
真空管って何?…っていうレベルの
コダワリのない男です。

そんなある日、
Y課長から、新作スピーカーが完成したんで、
銀次郎くんオススメの1枚とともに、
是非、我が家に聴きにきてくれ、
と、お誘いを受けました。

オススメねぇ。。。

普段からまぁ…
いわゆるモダンジャズの話しかしたことなかったんで、
持っていくとしたらそこからなんですが…

お誘い頂いた時、たまたまその場に居合わせた
JAZZなんか全然聴かない僕の友人A君も一緒に行くことになり、
どうしたもんかなぁ…と。

悩んだ挙句、
音楽をあまり聴かないような人でも
一聴してウットリするようなバラード
1曲目に配置されているアルバムにしようかと。。。

且つ、Y課長は普段からピアノトリオばかり聴いてる人やったんで、
ホーンが加わったやつにしようかと。。。

で、出した結論がこれです。

マイルス・デイビスの『WORKIN'』
(20bit K2 SUPER CODING 紙ジャケ仕様です)

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俗に言う、マラソンセッション4部作※1 のうちの1枚ですが、
この1曲目の
『It Never Entered My Mind』



もうたまらなくこの曲…というよりこの演奏が好きです。
第一期黄金クインテット※2 による演奏なんですが、
コルトレーンのテナーはエンディングで僅かに聞こえる程度…

レッド・ガーランドの情感タップリの伴奏、
"玉をころがすような…"という表現がまさにピッタリのソロ…

マイルスのむせび泣くミュートが素晴らしいのは勿論なんですが、
ガーランドのピアノがこれを更に際立たせてるのは間違いないでしょう。

僕はこの曲を聴くたびに涙腺が刺激されますが、
ガーランドのピアノがなかったら、そこまでには至らないかも。。。

この頃のマイルスは自分でまずひととおりテーマを演奏し、
コルトレーンのソロに繋ぐ、という手法を多く取ってましたが、
この曲に関して言うと、コルトレーンに仕事をさせなかったことが
かえって良い結果を生んでいるような気がします。


さて…
Y課長新作スピーカーの火入れ式メラメラ
その記念すべき第1曲目…アップ
ガーランドのイントロに導かれ、
マイルスによるテーマが流れ出した頃には…流れ星

涙腺がどうのこうのじゃありません…
勝手に涙が溢れてしまいました目

だって…
そこにいたんです!!
マイルスが…あせる


こんな限りなく生音に近い音を再現できるやなんて…

もうね…このスピーカー買っちゃおうかって思いました。
当時住んでた四畳半の部屋には絶対無理ビックリマーク
ってほど巨大なものでしたが。。。叫び

一緒にいたA君も、
「これはいいね…」
って言ってくれました。

ただ…
2枚目、3枚目と投入していくうち…
遥か彼方に彼を置き去りに…馬

…スマンビックリマーク


以下はウエストコーストジャズを牽引した
イケメントランペッターのチェット・ベイカー音譜
ケニー・バレルのギターに、ドラム、ベースという
変則カルテットによる同曲の演奏…
ベースは同じくポール・チェンバースです。



ミュートが外れてるってだけでなく、
アレンジの違いでこうも趣が違って聴こえます。

歌モノはこんな感じ…
若かりし頃、セクシージャケットにつられ、
何枚もジャケ買いしてしまった
ジュリー・ロンドンラブラブ



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当時は胸の谷間が写ってるだけでもゾクゾクしたもんなぁ…ラブラブ!

…ん?!…今も…おんなじようなモンか…にひひ



≪脚注≫

※1 マラソンセッション4部作

小さなジャズ専門レーベル、プレスティッジから
メジャーなコロンビアへフライング移籍したマイルスが
プレスティッジとの、残ったアルバム4枚分の契約を
たった2日間、ほぼ全てワンテイクで録り終えたもの。
この『WORKIN'』の他に、
『COOKIN'』 『RELAXIN'』 『STEAMIN'』があり、
プレスティッジはこれを1年に1枚ずつ段階的に発売。
鬼気迫る緊張感の中でのアドリブ演奏こそジャズの真髄。
50年代のバップ系の中では最高峰のアルバムといえます。
けしてやっつけ仕事ではありません。


※2 第一期黄金クインテット

マイルス・デイビス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

採用当初のコルトレーンは未だ殆ど無名…
大抜擢だったといわれてます。
このマラソンセッションのあいだに
彼の演奏技術が飛躍的に上達したとも。。。