満ちたり 欠けたり


『天地明察』  冲方丁



タイトルは聞いた事がありました。


でもどのような内容かは知りませんでした。



そんな中、4月に発売された「月刊アフタヌーン 6月号」からマンガでの連載が始まりました。


それが面白くて原作を読んでみようと思いました。





江戸時代、幕府の碁打ち衆の渋川春海が改暦に挑む、とういう話です。




読んでいて早く次が読みたくなった作品でした。



まず、主人公の渋川春海の人柄に好感が持てました。


世間知らずで、ちょっと間が抜けていて、好きな事には周りの事が見えないくらい夢中になって、改暦という難しい事を行うような人とは思えないような姿は心地いいものでした。


そして、何から何まで間違いなくこなすスーパーマンのような人ではなく、挫折する姿は悲しくもあり、人間味もありました。




改暦という難しいテーマの話ですが、渋川春海の人柄も影響して、難しい内容にはなっていません。


時々、心安らぐシーンも出てきます。


特に、渋川春海とえんとの会話はどの場面も抜群です(^^)




又、胸が熱くなるシーンもありました。


渋川春海を推す者や手を差し伸べる者の気持ちが感じられるシーンはこみ上げるものがありました。




この作品は、2010年の本屋大賞ということですが、納得できる内容でした。


とても面白く楽しい時間を過ごしました。




「月刊アフタヌーン」での連載はまだ3話で原作の第二章になります。


原作を丁寧に描かれていて、こちらも次を読むのが楽しみです。


原作が好きな方は読んでみる事をお勧めします。




尚、2012年秋に映画が公開になるそうです。


ちょっと、不安が残りますが(^_^;)、観てみたいと思います。