『ポテチ』 青山円形劇場
今村忠司(加藤晴彦)は、自殺しようとした大西若葉(星野真里)を助け、行動を共にします。
そんなある時、若い女と出会い、・・・
まず、舞台を見て驚きました。
家具や電化製品が規則的に並べられているけど、それら全てが緑がかった白で塗られていたから。
そこにあるのに無いような感じがした。
まるで、セットだけ時が止まっているようでした。
さて、芝居が始まると星野真里さんが話を進めていきますが、話の中心は加藤晴彦さんではないかということに気がつきました。
ですが、加藤さんのセリフからは今村の気持ちが浮かび上がってきませんでした。
何故起こるのか、何故イラつくのか、何故悲しいのか。
ところが、その分を星野さんが言動で表現しているということがわかってからは加藤さんの悩みがわかるようになり、話の全体もわかるようになりました。
心の絆、を描いている作品なんだと感じました。
加藤さんのセリフではなく、星野さんを含めた他の人の言動で加藤さんの心のうちを伝える事でより心に響くものになったと思います。
星野さんが今村の母親役の岡本麗さんと飲むシーンがありますが、その最後で星野さんが泣きそうな顔をしますが、その顔に感動しました。
感情を押し殺そうとしてもおもわず出てしまう、という表情でした。
私の席からは見る事が出来ましたが見られなかった人もいたはずなのでとても残念です。
岡本さんがポテチを食べるシーンがありましたが、口に入れすぎたのか、飲み込めなかったのか、セリフに詰まった場面がありました。
岡本さんのようなベテランでもこういう事があるんだなと思わず笑ってしまいました(^^)
(私だけでなく他も人も笑っていました)
約1時間半と短めの作品でしたが、充実した時間を過ごす事が出来た素晴らしい作品でした(^^)