食事が終わっていつものように両親と話をしていた時、


母「私おとうさんの為にいろいろしているよね」

父「そうだな」

母「ありがたいと思ったら何か頂戴」

父「なんでもやってるじゃねーか」

母「なんでも?」

父「そうだよ、全部やるよ」

母「本当?じゃ、紙に書く?」

父「書くよ」


そう言って紙に書き出した。


おまえのおかげだ。

全部お前にゆずる。


と書いた。


その後、母から

「一、何々って内容を書いてよ。」

と言われ父が一つ一つ書いていった。


そして、最初に書いた文の右側に 遺言状 と書いた。


日付も入れて全て書き終わった後、母が

「あー、驚いた(^^) 今まで書いてって言っても書かなかったのにどうしたの?」と聞いた。

すると父が

「今日、気分が良かったからな(^^)」と答えた。


たしかに、父の年齢なら遺言状を書いてもいいし、むしろ書くべきだとは思うがこうして目の前で書かれると驚いてしまう。

しかも全て母にゆずる、という内容が日頃話しているものと違ったので意外だった。


人は誰でも年老いてそして死んで行く。

今元気だといっても父もいずれは死んで行く。

これからも元気で長生きして欲しい、とは思うが今日の時のように死んだ時の事を連想されるものを目の前にすると死というものを実感してしまう。


しかし、やっぱり父には元気で長生きして欲しい。