AAA 29th SINGLE「CALL/I4U」
M1-CALL
【CD+DVD】 AVCD-48152/B ¥1,890(税込) (ジャケットA)
昨年からものすごい勢いで世に浸透し、震災でも活用されたTwitter。とても便利で、誰でも気軽に情報を発信できる素晴らしさの反面、つい迂闊な発言をしてしまったことで最悪な状況を作り出してしまうこともある、いわゆる諸刃の剣、的なコミュニケーションツールだ。
表舞台に出る人たちの間では、いろいろな制約を受けずに本当の自分の気持ちを伝えることが出来ると前向きに取り入れるか、君子危うきに近寄らず、といっさい近づかないか、このTwitterに対する考えが大きく別れる。
AAAのTwitterに対する姿勢はこのどちらともいえない。顔が見えない、実名でなくても登録できるというある意味危険性をはらむこのTwitterを真っ向から取り入れながら、それをネガティヴな方向性に持って行かせない不思議な力を持っている。なんせ「BUZZ COMMUNICATION」という言葉をアルバムタイトルにもツアータイトルにも取り入れ、ライブ会場の大スクリーンでリアルタイムにTwitterの画面を流してしまうようなこともさらっとやってのける。
AAAがこれをやってのけられる理由はTwitterそのものにあるのではないと思っている。彼らが最も大切にしているのはいつもライブだ。つまり単なる画面上の言葉のやりとりだけではなく、常にリアルな彼らの動きと連動させているからなんだと思う。
そんな視点に立ってみると日常生活においても同じようなことが言える。いまの世の中、ちょっとでも時間を割いて会って話せばすぐ解決することをわざわざメールでやりとりしたりする。言質を取る、という意味では賢いのかもしれないが、信用していないの?と取れなくもない。
会えないなら電話すればいいのに、それもせずにわざわざメールでやりとりする。試しに自分を振り返ってみてほしい。その携帯電話、実際に通話している時間とメールしている時間、どちらが長いだろうか?
なぜこんな事象が起きるのか?
たぶん、人と向きあうのが怖くなっているんだと思う。相手が誰だかわかっているなら嘘もつけなければ演じることも出来ない。あるがままの自分でいなければならない。でもそうすると、なにかを投げかけられた時に逃げることが出来ない。咄嗟にどう対応するべきか、応えるべきか、答えるべきかを即座に判断し言葉や態度で表さなければならない。それが出来る自身がなくなってしまっているのだ、とぼくは思う。
決して携帯端末を使っての文字のやりとりを否定するつもりはない。ただぼくがいいたいのは、それはあくまでコミュニケーションツールのひとつであり、コミュニケーションを取る手段はそれだけじゃない、ってことなんだ。
AAAはそれを知っている。結局最後には、会って、顔を見て確かめあえれば、それだけでわかりあえてしまう時もある、ってことを知っているのだ。
だから逆に、会えない時の言葉を大切にする。会えない分だけ伝えきれない温度感を少しでも伝えようとする。だからみんなが歌う。いや、歌えるようになろうと努力し、実現してきた。
ぼくは本来AAAのメインライターではない。彼らの礎を築き上げたのは、ぼくよりずっと若手の作家たちだ。だからあまり偉そうなことはいいたくないし、いえる立場でもない。まあ、これだけ書いておいてそういうのもなんだけど。。。(笑)
でも「出逢いのチカラ」で彼らと出会って以来、ベタじゃないけど時々、時々でいろんな思いを聴いてくれるみんなに伝えようと力を合わせて頑張ってきた。その意味で本作「CALL」のベースになっているのは「最後のコトバ」なのかもしれない、なんて思っていたりする。忘れている人がいたら、試しにCD引っ張り出して来て聴いてみてよ。時代は変わったけど、本質は変わってないって、きっと感じてもらえると思う。
ああ、あの時あの歌を書かせてもらったのにもなんか意味があるんだなぁ、、、なーんて、思うよ、実際。
今の時代、科学技術のの進歩によって、人との関わあいにいろいろな手段を選べるようになってきた。出張に行かなくてもSkypeでテレビ会議、とかできちゃうんだもんね。遠距離恋愛になっても、いつでも顔を見て話が出来ちゃうんだもん。
それはそれで素晴らしいことなんだとは思うんだ。会社のコストも減るし、スタジオにいなくても自分の部屋からリアルタイムにディレクションが出来ちゃったり。遠距離恋愛が実る確率だってきっと高くなっていると思う。遠く離れた故郷の家族にもいつでも元気な顔を見せられたり。。。
でもさ、結局は会ってぎゅっとすれば、もうそれでいいじゃん。「CALL」ではいろんな表現でなんていうか、こうカッコよく、っていうか?みせるように工夫してるけど、とどのつまりAAAが「伝えたいこと」はそういうことなんだ、と思いながら書かせてもらいました。
そんなことを心の片隅において歌詞を読んで、聴いてもらえたら嬉しいです^^
よろしくお願いします!
Kenn Kato