いつかどこかで、
ちょっとでも思い出してくれたらいいなぁ。
あれ?って、
どっかで見たことがあるのに、
どこで見たのか思い出せないような
あの感覚にも似た瞬間。
そこにいられたら、
ぼくはそれだけで幸せなんだと思う。

Kenn
2004/04/08(Thu)

ぼく「うーん」
ボク「どうした?」
ぼく「楽しかったぁ」
ボク「ゆーじくん?」
ぼく「うーん」
ボク「ギター上手かったなぁ」
ぼく「ちょい違う」
ボク「えー、あんなに上手なのに?」
ぼく「上手いんでも、巧いんでもなくて」
ボク「???」
ぼく「旨いんだよ」
ボク「あ!」
ぼく「なんだい忘れちゃったのかよ?」
ボク「忘れてないさ。気づかなかっただけだ」
ぼく「いつも新人の人にいってただろ?」
ボク「ああ、ああ、ごめんよ、ごめん」
ぼく「でもさ。そこにこだわり続けるのは、難しいんだよなぁ」
ボク「巧くなりすぎるとムダが増えるからなぁ」
ぼく「ぼくらもおなじだよなぁ」
ボク「踏ん張るの・・・辛いよな」
ぼく「うーん」
ボク「なんだい唸ってばかりかい、今夜は」
ぼく「詩ってさ、どこからが技術で、どこからが心なのか?」
ボク「そんな難しいこと考えてんのかい?」
ぼく「一生悩むんだろなぁ」
ボク「ははは。そうみたいだな」
ぼく「でもさ」
ボク「ん?」
ぼく「ぼくらってさ、自分たちはいつも陰に隠れてるからなかなか覚えてもらえないけど」
ボク「なんだい自虐的になってんのかい?」
ぼく「全然そうじゃなくって、逆」
ボク「逆?」
ぼく「まったく違う人に歌ってもらってるのにさ」
ボク「うん」
ぼく「あ!またこの人だ、って思ってもらえるのって」
ボク「光栄なことだよな」
ぼく「これ以上の賛辞はないだろ」
ボク「なんか覚えがある、って思ってもらうのって」
ぼく「すごいことなんだよ、きっと」
ボク「詩の中のde´ ja` vuかい?」
ぼく「そういうこと」
ボク「最近多いよなぁ。そういう声」
ぼく「でもその分」
ボク「ん?」
ぼく「時代が流れているってことだろ?」
ボク「そういうことだな」
ぼく「その分変わっていかなきゃならないこともあるんだろな、とか思ってさ」
ボク「それは変わっていくってことなのかな?」
ぼく「違うと思うんだ」
ボク「どういう意味?」
ぼく「磨いていくってことなんだと思う」
ボク「かっこいいじゃないか、それ」
ぼく「と思うだろ?」
ボク「違うのかい?」
ぼく「良く考えてみろよ。お酒の原料のお米」
ボク「ああ、吟醸とか純米とかいうやつ?」
ぼく「そうそう。磨けば磨くほど雑味がとれて微妙な吟醸香がするわけだけどさ」
ボク「それくらい知ってるさ」
ぼく「だから違うんだってば」
ボク「だから何が違うんだよ?」
ぼく「磨き過ぎたらなくなっちゃうだろが」
ボク「な、なるほど」
ぼく「だからさ」
ボク「磨き上げるほど慎重にならなきゃいけない」
ぼく「そういうこと。それがもしかしたら初心忘るるべからず、ってことなのかなぁ、とか思っちゃってさ」
ボク「そういうことか」
ぼく「人の心に残り続けるためには」
ボク「うん」
ぼく「それだけ自分を大切にしなくちゃならないってことなんだよ」
ボク「うん」
ぼく「そしてそのためには」
ボク「うん」
ぼく「自分を大切にしてくれる人を大切にしなきゃならないってこと」
ボク「うんうん」
ぼく「だから今日もみんなに」
ボく「あ・り・が・と・う」