言葉で表現することは基本的に自由だ。
でも、
表現した言葉は必ず受け手の心の中で現像されてその像を結ぶ。
アナログカメラのように、
シャッターを押した瞬間にはどんな絵が撮れてるのかわからないんだ。
けれど、
一度シャッターを押してしまったら、
もう二度とやり直しがきかない。
デジタル感覚で言葉を扱うと、
時々痛い想いをしたり、させたりする。

Kenn
2004/02/27(Fri)

ぼく「ただいまー」
ボク「お、おかえり。武道館行って来たんだろ?どうだった?」
ぼく「いやー、楽しかった。シンプルに楽しかったよ。いつか子供とか連れていきたいな」
ボク「子供から大人まで楽しめるようなパフォーマンスだったんだ」
ぼく「勢いあり、笑いあり、ビックリあり、聴かせるところもあり・・・」
ボク「歌と踊りとラップ、それぞれが明確な個性を持ってるユニットだもんね」
ぼく「うん。それに男の子5人に女の子2人、っていうのが強みかもしれない」
ボク「どういう観点で?」
ぼく「うーん、ターゲットの幅が出るっていうのかな?」
ボク「どっちのファンもいるってことか」
ぼく「ああ。少し大人になって、男女がいることでいい意味で色気が出せる。歌詞の内容に恋愛がテーマになったものも多いんだけど、男女混在してるからこそ表現できる世界観がステージにみなぎってるっていうか。それにけれん味や嫌味がないからその色気も爽やかでさ。すごい好感が持てた」
ボク「へーえ。ぼくはまだ知らないユニットだけど、そんなんが出て来るんだ。これから」
ぼく「そう、3周年、だから上の散文詩のボク時間でいうと1年半後かな?」
ボク「ボクが消えるまでにギリギリ間に合うかな?ってところかぁ」
ぼく「とにかくすんげー根性と負けん気の強さがある7人でさ。いまでは担当のこと以外もそれぞれこなせるようになってきてる。彼らもさ、いまぼくらが直面してるようなそれは厳しいプレッシャーから這い上がって来たからね。そこは強いよ」
ボク「あのCMの歌も歌ったのかい?」
ぼく「a piece of my wordのこと?本邦初公開で歌ってくれたよ。スタジオで歌えなくて悔しくて泣いてたのに、一所懸命歌ってくれてた」
ボク「お気に入りの、あきれるくらいわがままな自由、も?」
ぼく「うん。とってもよくなってた。どっちもさ、大切にしてもらってるんだなー、って思えて嬉しかったよ。もちろんソロのCrying Freemanもね」
ボク「そんなに歌ってくれてたんだ」
ぼく「うん、ビックリした、正直。でも自分がかかわってない楽曲の部分でも演出が面白くて十分楽しめたよ。彼らの目指すエンターテイメントって概念にどんどん近づいているみたい」
ボク「ふーん。変わっていくんだな、世の中って」
ぼく「いい意味でそこに関わっていけたらいいけどな」
ボク「いけるんでね?」
ぼく「まあ、自分次第?」
ボク「みんな若いんだろ?」
ぼく「若い若いと思ってたけど、いつの間にかしっかりしちゃってて、MCとかもね」
ボク「ぼくは歳をとったというわけだ」
ぼく「ひとこと余計だー_ー」
ボク「MCって重要だもんね。控えめすぎても押しつけがましくてもいけないし、いいことはたくさん喋らなきゃなのに、へたなことは喋れない」
ぼく「言葉は上手く使えば最高のツールになるけど、一歩間違えると怖いからね。両刃の剣だ」
ボク「最近よく振り回してるじゃないか」
ぼく「この歳になるとな、逆に少しくらい暴れないとね」
ボク「誤解されんなよ?」
ぼく「黙ってて誤解されるより、しっかり意思表示して誤解される方がいいと思う今日この頃。おなじ言葉でも立場や相手によって受け取られ方が違うからね」
ボク「すべてをうまく伝えて、みんなを味方にしようなんて、しょせんムリな話だもんな」
ぼく「特に表に出る人は世間を相手にするからね。なおさら慎重にならざるを得ない。けど臆して伝えることを怖がっていたら、アーティストにはなれない」
ボク「それはボクらの仕事だっておなじだろ?」
ぼく「そう、匙加減が難しい。そしてぼくはぼくだ、文句あるか!くらいの堂々としたところも持ってないとね、ここから先は」
ボク「人目を気にしすぎる傾向があるもんな、ボクタチ」
ぼく「ちょっと変わってきたかな?」
ボク「ちょっとずつで、いいからな」
ぼく「ん?」
ボク「い、いや、なんでもない」
ぼく「なんだよ、キモチ悪いな」
ボク「いいったらいいんだよ。直しの返事待ちならその間にさっさとライブの曲覚えろよ」
ぼく「わかったよ。なんだかヘンだぞ、今日のボク」
ボク「ボクにだってそういう時があるんだ。そっとしておいてくれ」
ぼく「わ、わかった。じゃあ、おやすみ」
ボク「オヤスミ・・・」