AmebloBloodyOrion�
『BloodyOrion~伝説~』

自らの強さを過信したオリオンは
大地の神ガイアの刺客スコルピオに刺し殺された
どうか人類が
神の怒りに触れることのないように・・・


 誰だって強くなりゃ過信はするわな。だけど自信を通り越してしまった分、そこに隙ができるということなんだと思うんだ。だからサソリなんて小さな存在に刺し殺されてしまった。まあそういうことなんだよね。どんなに強くなっても分相応ってさじ加減は常に持っていなければならない、ってことなのかな?

 科学が発達していろんなことができるようになったけど、だからといってそれをやっていいのかどうかという問いかけは常にしていかなきゃならない。それを怠ると取り返しのつかないしっぺ返しを受ける、ってこと?

 一方でどんなに科学が発達してもまだ科学では解明できないことがある。円周率πだって確実な数字はだれも出せないでいる。宇宙の果ての話だって哲学のような人文科学的なところで想像することはできても自然科学の領域では解明できてない。もっとも大きな枠で見れば人文科学も自然科学もアプローチが違うだけでおなじようなもんなんだけどね。

 上の写真はその意味では人文科学的な写真です。つまり実際にはあり得ない、ってことかな?色温度をいじって雲の色を紅く染めてしまいました。これもデジタル現像ならではの表現方法。芸術表現に制約はないからたとえ邪道といわれてもいろんなことを試してしまう。考えようによっちゃこれも科学のチカラを過信してるってことになるのかな?でも誰も傷つけないからよしとしてください。

 ぼくなんかでも昔と違って一つ対応を間違えると大事なクライアントを失うことがあります。善かれと思ってやっていることでも誤解されちゃったりするから、そこら辺は慎重に対応しないとならない。特にはじめて書くアーティストの場合は細心の注意が必要。でもそういう時は自分が直接対応するよりもマネージャーに頼る方がより確実。マネージャーが一番自分のことを客観的に見てくれるからね。そういう意味でマネージャーという存在は一番大切なんだと思う。そこに信頼関係がないと途端にお互い意味のない存在になっちゃうから。

 でもクライアントの意向と自分の信念が食い違った時って、やっぱり難しいよね。信念を貫き通して仕事を失うか、先方の意向を尊重して自分が折れるか・・・そこら辺の折り合いが難しい。すぐ割り切れるタイプの性格の人はいいけど、それが苦手な人はものすごい葛藤を強いられる。でも、絶対に自分が正しいと過信してはなから歩み寄ろうとしないタイプと、なんでもすぐにほいほい折れてしまうタイプはどっちも長続きしないと思うというのがぼくの経験から出て来た一つの答えかな?

 だからぼくは直しのリクエストが来ると必ず直す。直すけどそれによってなにが失われるのかということはしっかり説明するようにしています。その上でより良いと思う方を選んでもらう。

 逆に自分がプロデュースやディレクションする立場、決定権を持つ立場になる方が大変だわ。食い違った場合、どちらを選ぶかによって作品の質が変わるわけだからさ。そこを自分の思う通りに直してもらうことで何枚売り上げが増えるのか?なぁんて自問しちゃうと途端に自信がなくなる。もちろんそこに信念があればなんの迷いもないんだけど、いまひとつ自分でも迷っている時はね、アタマ抱えちゃうよね。そんな時たとえムダになろうとも自分の意見を反映させた作品を提示してくれる人がいたとしたら、より比べやすくなるし判断もしやすくなるでしょ?きっとそんなところから信頼関係が生まれてくるんだと思うんだ。

 まぁ、こんなことを書くってことは実際今日まさにそんな作品を書いたからで、かなり悩みました。相手が求めていることはなんなのか?それが最善のことなのか?それとも自分の信念の方が正しいのか?

 こればっかりは結果論だから正解はわからないんだけどね。

 そしてこれから次の作品にとりかかるわけだけど、今度は逆の立場にたった仕事なんだよね。相手の信念を傷つけないように、慎重にリードしていくのはホンマ神経すり減らします。

 きっとこれがコトバじゃなくて絵画とかになるともっと抽象的になるから、悩むんだろうなぁ・・・天才肌の人はなおさらだと思う。彼らにとっては理屈じゃないからね、すべてが。

 自分が死してから作品が認められたゴッホとかは生前自分の作品に対してどのくらいの自信を持っていたんだろうか?売れなくても売れなくても自らの信念を曲げずに描き続けた人生、それはきっと過信とはいわないんだと思う。じゃあ自信?いや、売れないのにそこまで自信は持てなかったでしょう、いかにゴッホといえども。

 なにがいいたいかって?

 きっとそんな信念が生み出す物語が「伝説」なんじゃないかってこと。

 ぼくには縁のないお話です^^:

Kenn