ShanghaiBackstreet
『ShanghaiBackstreet2~迷路~』

この街は
時代の波の狭間にとり残された
孤島の迷路だ


 迂闊だった。昨日は強調したいがゆえにうっかりと失言してしまった。物書きとして失格、大失態だ。

 すぐに直したから「なにが?」と聞かれる人も多いかもしれない。でも、その時点で少なくとも4人は読んでいたはずだから、気がついて不快な思いをした人もいるかもしれません。ごめんなさいm(__)m

 長かった上海シリーズもこれで最後、実際にはこの中から4点出展する予定。すべて「しあわせの秤を探す旅」の取材中に撮影したものです。この写真の前に撮ったカットでは真由美ちゃんが写ってるんだけど肖像権があるのでお見せできないのが残念です。「美しすぎて、君がこ~わい」なんて歳がばれちゃうような歌を思い出してしまうほど長い黒髪の彼女はキレイです。もっとも取材撮影はこのすぐ側の美術館で行われたので当時のViViをみてもここの写真はありませんが、ここで決めカットを撮ってもよかったかもしれないなぁ・・・

 もっとも人物が写っている場合、この現像方法はあまりお勧めできないのでこれでよしとしましょう。

 随分と前、ちょうど曖昧なぼくの輪郭がヒットした直後くらいに彼女にEver afterという詩を書きました。ドラマ「ウェディングプランナー」の挿入歌だったんだけど、いまでもぼくのお気に入りの一つです。残念ながら彼女はモデルさんから歌手ではなく女優さんで成功していっちゃったけど、でも忘れられない1曲であることに変わりはありません。

 当時まだぼくは会社勤めをしていて、しかも大阪基地勤務。急な発注でオーストラリアから帰国してすぐに一晩で英語バージョンを書き下ろし、翌朝そのまま羽田に向かってスタジオ入り、それからほぼ24時間くらいかけてVocal recordingした記憶があります。作編曲は当時おなじ事務所だったFace2fAKEのふたり。三人で順番に仮眠を取りながらディレクションしたハードな二日間。懐かしいなぁ・・・彼女のその後がEver after=めでたしめでたしだったのかどうかについてはここでは触れないけど、これからも頑張り続けてもらいたい仲間の一人です。

 Faceとはいまだにちょくちょくコラボしています。先日も携帯小説の主題歌と、もう1曲、Faceがプロデュースするある女の子3人組アーティストに提供しています。こちらは昨日お話したSCREAMとは違い、真っ向ど真ん中ストレートの詩です。こちらもジャケ写が上がったら告知しようと思います。

 ところで写真の入り口ですが、ここはまさに迷路の入り口、一度入るとなかなか出てくることが出来ません。でも現地の人の暮らしがよくわかってめっちゃ楽しかったです。鶏がいたり、子供たちが遊んでいたり、言葉も通じないのに家の中に上げてもらってお茶までご馳走になってきました。まるでタイムスリップしたような感覚?暮らしている人たちの笑顔がいまも思い出せます。

 楽しすぎて元来た道を戻れなくなってしまう…なんか竜宮城を彷彿とさせませんか?確かにひっくり返った福の字(招福)のとなりに竜の置物がありました。

 逆にあの頃はまだぼくも書き始めるとどっちに行ってしまうかわからない産みの苦しみの迷路によく迷い込んでいました。しかも二足のわらじを履きながら。よく頑張ったもんですわ。いまでは最初に地図を手に入れちゃうか、コンパスを用意してから書き始めるので迷路にはまることは本当にごく稀にしかなくなりました。というか、万が一迷っても壁に手を触れたまま歩き続ければ、時間はかかっても必ず迷路からは抜け出すことが出来るということに気づいたからなのかな?どんな迷路でもそこにParadoxがない限り絶対に入り口と出口の壁は繋がっているからね。そう思うと迷路に入り込んでも気持ちに余裕が出来るじゃない?心の迷路もおなじ。どんなに落ち込んでも、なにかを離さない限り時間はかかるかもしれないけど必ず出口にたどり着けると思えば、少しは気が楽になる、とは思いませんか?

 そういえばもう15年位前かな?米川英之くんのHalftone Smileというアルバムの1曲目に「迷路~Paradox~」という詩を書きました。夢と現実がメビウスの輪のように繋がって抜け出せなくなってしまうこの世界観は、ぼくの公式サイトtearbridge.com/kenn/にある「MY INVISIBLE OUTLINE」というリンクボタンを押すと出てくるぼくの純文長編処女作Zeroの第1章冒頭にいきなり出てきます。試しに読んでみてください。今夜、眠れなくなるかもしれませんよ(笑)。

 で、眠れなかったらその隣の隣にあるリンク「INTO THE DEEP FOREST」を押して深い森の中に足を踏み入れてみてください。質問は変わらないのに、答えが毎回変わる不思議な50の質問があなたをお待ちしています。5問おきに出てくるDEEPERを押して先に進んでいくと最後に何が見えるのか?一つ間違えると言の葉が舞う深い森の中で迷ってしまうのでご注意を!

Kenn