AmebloFlying Lobster 『Flying Lobster~驚愕~』

「でもね、あるのはホッとすることばかりじゃないんだよ」
「え?」
「ぞっとすることだってたくさんあるも~ん」
なにか話したいことを見つけると彼女は決まって大げさになる。
「たとえば?」
「でっかいハチとか。ロブスターに羽が生えてるような」
ちょっと自慢気だ。
「まじですか?」
「花がたくさん咲いている所に行けばすぐに会えるよ」


Morning after pillの中でひさしぶりに再会を果たした慎一郎と麻実が、
「浜辺の茶屋」で交わした会話です。
ここは麻実の故郷の沖縄。
でも名護とは反対の南のほうです。
麻実の消息の手がかりを探している間に彼が撮った写真の中の一枚。


実際撮影した時はすごい羽音でこれ以上近寄れませんでした。
だから見えにくいかも。色飽和起こしちゃってるし。これD100だからなぁ。
D3で撮ってたら鮮やかな赤の花びらも潰れなかったろうに・・・
羽根が止まって見えるようにするためにはかなり早いシャッタースピードにしないといけないから絞りを開くんです。まだデジタル覚えたてだったせいもあるんでしょうがオーバー気味になっちゃって。最も最低感度がISO200だしね。仕方ないかぁ。いまならISO50とか当たり前の時代。技術革新はほんまにすごいスピードです。

ちなみに主役のFlying Lobsterはほぼセンターにいます。
後からわかったことなんですが、
これはスカシバという蛾の一種でハチではないそうです。

話はそれますが技術革新で実際の撮影現場もデジタルが増え、その影響でポラチェックとかする機会も激減しました。医療現場などでもよく使われていたポラですが、それも全部デジタルに変わってしまいポラの需要が激減した。ぼくは実はSX70で5枚の組み写真を創るのが好きなんですが、そのフィルムも8月で生産中止だそうです。今日もビックカメラにフィルムの買い占めに行って来ました。5枚組フレームも友達の勤める会社で扱ってるのでまとめて頼んでおきました。この友達、ポラ写真界ではカリスマ的存在の素敵な女性です。ぼくをポラの世界に引きずり込んだ張本人です。

キミならなんとか出来ない?

できるわけねーだろー><と一蹴されました。ショックが大きいのは彼女の方なのかもしれません。

それにしてもちょっと前までは11本入りで1万円だったのがいま3本入りで6千円弱。まさに「驚愕」、ものすごい値上げですわ(泣)。3本入り20パック買ってきました。でも一応1年なんだよね、使用期限。ポラってフィルム事態の中に現像液が入ってるからあまり長くは持たないでしょう。8月まで買いまくりますが、それも使いきれば愛機SX70はただの黒い箱になってしまいます。技術革新で新しくいいものが安く出てくるその裏で消えていかざるを得ない素晴らしいものもある。ぼくの中ではどえらい矛盾です。

もっともProTolsでとった音素材をわざわざアナログのSSLに落としてからミックスするエンジニアさんもいるくらいだから、ポラもいつか復活するかもしれない。レコード針のようにね。それまで大事に持っていることにします。

今日はやたらと話が飛びますが、麻実はとても特徴のある話し方をします。慎一郎も麻実も架空の人物ですが、彼らが経験することはほとんど実際にあったこと。いろんな方々に協力をいただいて取材を進めていく中でぼくが知ったまさに驚くような事実を彼らに体験させています。架空の人物ですが、物語の中で起きる出来事はほとんどが事実なんです。

ただ登場人物の人格だけは架空。その意味でいうと麻実はぼくの中にいる理想の女性像なのかもしれません。慎一郎はもどかしくて苛々するような性格ですけど・・・前にも話したけどある程度しっかり書いていくと途中から登場人物は勝手に動き出すんです。気がついたらふたりはこんな性格になっていました(笑)

逆に慎一郎の別れた奥さん美沙子はナイーブな天才肌。血液型はおそらくB型ですが、別れた後逆に慎一郎に心を開いていく。最後に登場するシーンでの美沙子は・・・かっこいいです(笑)悪役を最後にかっこよく見せるのには苦労しました。

ついでにいまひとつ煮え切らない慎一郎の血液型はAB型。優しいけど優柔不断な性格です。考え過ぎとも言えますが。

この3部作の物語の中で麻実と美沙子は接点を持ちません。まったくの別物語りになっています。だからその性格の違いは物語そのもの空気感になります。不思議なものですが主人公ではなく、相手役のヒロインによって世界観が変わっていくんですね。対する麻実はユーモアたっぷりのおちゃめな性格でありながら時折寂しげな表情を見せます。

さあ、ここで質問です。麻実の血液型は何型でしょう?

こんな日記の終わり方もありかな?

Kenn