BedmakingHummingBird
『BedmakingHummingBird~幸運~(StrawberryHill,Jamaica)』


おいらはハチドリ、ハミングバード
ハチみたいに花の蜜が大好物
これでもこの国の鳥の王様なんだ
ホバリングもできちゃうんだよん

でも警戒心強いから
あまり人前には出たくないんだよね
しかも巣作り中に見つかっちゃった!
キミ、運がいいよね


 このハミングバードはジャマイカの国鳥。普通の鳥とは違いブーンブーンとものすごいスピードで羽ばたき、そして昆虫ではなく花の蜜を吸って生きている。だから別名ハチドリともいうんだ。
 警戒心が強くなかなか姿を現さない。だから見つけた時も80-200mmのZoomレンズを使ってシャッター切っては半歩近づき、また半歩進んでは、と繰り返し、ようやく手の届きそうな場所までたどり着いてからZoomをWIDE側に戻して絞りを開き気味にして撮った。でも現像するまで巣作りしてるなんて気がつかなかったんだよね。現像してみたら「あ~ら、ビックリ!巣作りしてるじゃな~い?」嘘かホントか知らないけれど学術的にも貴重な写真らしい。だからぼくは幸運の写真と呼んでいる。

 この旅ではジャマイカの首都キングストンから国賓並の待遇の警備でジャマイカを斜めに横断してモンテゴベイのHalf moon beachまで移動したんだけど、おなじ国なのに首都は渡航危険度レベル1なのに対しモンテゴベイは4という政情の安定しない国。でもぼくらはキングストンでも撮影を決行してかなりドキドキもんだったけど、その時ぼくらが撮った作品はいまでも想い出深い一枚だ。
 
 それにしても町中ガンジャの匂いが漂い、ぼくらがタバコを吸ってるとみんな真っ赤な目で「なんでそんなもん吸ってるんだ?」と聞いてくる。完全に目がいっちゃってる人たちばかりだから怖い。公園で撮影してる時に向こうではよく木を削るのに使われる大きなナタを振り回してるひとが寄ってきて緊急撤収した記憶もある。

 そんな中でこれまた幸運にも出会えたのがこのRastaman。ホンマもんである。ボブマーリーなどによりレゲエミュージックを通じて世界中に広められたRastafarianismは黄赤緑のラスタカラーやドレッドヘア、ガンジャ(大麻)、菜食主義といったイメージが先行しているが、本来彼らのこのラスタファリアニズムはかつての故郷アフリカへの回帰を謳ったエチオピア最後の皇帝ハイレ・セレシエ1世(即位前の名ラス・タファリ・マッコウネン)の信念から来ているものらしい。彼らは特定の教祖や開祖は持たず一応聖書が聖典となっているが教義は成文化されず、極めて閉鎖的なラスタコミュニティーという数十名からなる村のようなものを形成し完全自給自足で生活していて、箒を作っては時々街に出てきて布教活動をしてるという。

 敬虔深い写真のような真のラスタマンは紳士だけれど、でもラスタコミュニティーはガンジャだらけ、まあこの世の天国といえば天国なんだろうけどね(笑)。それに彼らは血が混じり拡散するのを極端に嫌う傾向にあり、ラスタコミュニティーに入る外国人女性は排卵日前後でないことを証明しないと入れない。これって・・・どういうこと?
Rastaman
 いずれにしても写真も極端に嫌うため隠し撮りしちゃった^^:手に持っているのは箒。キレイな英語も話し、立ち居振る舞いも紳士そのものだ。わずかに袖の下に見えるシャツの袖も仕立ての良さそうなYシャツで暑いのにネクタイもしていた。もっともジャマイカ人の9割以上はキリスト教プロテスタントでこのラスタファリアニズム主義者は5~10%しかいないそうだ。

 日本にもラスタカラーで身を包み、ドレッドヘアーをしている若者は多いけど、果たしてこのラスタファリアニズムのどこまでを知っているのだろうか?アルバイトで自活しているけど、菜食主義で、無闇に子供を作るようなこと?をしない。そんなヤツ、いるのか?

 うわべだけのファッションほど薄っぺらいものはない、その時ぼくはそう感じた記憶がある。彼らの歴史にはぼくらの知らない根深いものがあり、そこから派生して来たのがファッションであり音楽であるということ、そしてそのファッションと音楽はラスタファリアニズムという主義が生み出したもので、すべて意味があること。ちなみにラスタカラーの所以は、私の記憶によれば~エチオピアの国旗の色から来ているのだそうだ。一方で太陽と血と自然から来ているともいっていたような気がする。(取材した当時のノート探すの面倒なんで、曖昧な記憶でごめんなさい。詳しいことが知りたい人は自分で調べてね!)

 まぁ、日本人にしてみればどうでもいいことなのかもしれないけどね。

 逆に日本も、向こうでは未だに着物で男は腰に刀を差しているものと思っている人たちがほとんどらしいから、おあいこさまなのかも?

 
 今日はちょっと詩の世界からはほど遠いお話しになっちゃったけど滅多に観られない写真シリーズだから許してちょ^^v

Kenn