Ameblo����D(UCC Coffee farm Jamaica) 『涼風薫花~匂い~(UCC Coffee farm, Jamaica)』

君といた頃
この部屋の空気に
その匂いが溶け込んでいた
ひとりになったいま
初めてそれに気がついて
時と共にその匂いが薄れてゆき
息ができなくなるような気がするんだ
せつなくて甘い
君の匂い



 匂いの記憶とはおそろしいほど潜在意識にしみ込んでいて、何年も前に別れた恋人の香りでさえ、そのフレグランスの名前も知らないのに思わず立ち止まり振り向いたりしてしまう。そして匂いの幻影に惑わされるように人波の中にその面影を探しているんだ。その時街の雑踏は意識から遠ざかり、まるで自分が記憶のシャボン玉の中にいるような錯覚にとらわれる。そしてそのシャボン玉が弾けると、ぼくは溜め息をひとつついてまた日常に溶け込んでいく。

 匂いとは、人間の感覚の中でおそらく最もせつない感覚なのかもしれない。

 ぼくの詩の中には、だからよく匂いが出てくる。ちなみにもう配信されているのでいうけれど、実はAAAのバラード「あきれるくらいわがままな自由」は、5年ほど前に書いた上原多香子ちゃんの「Air」のアンサーソングなんだ。どちらも、時の流れと共に薄れてゆく、別れた恋人の記憶の中で最後まで残るのが匂いだと描かれている。どちらもぼくのお気に入りの作品です。

 いうほど人は弱くない、そんなことも伝えてきたけど、その理由は人の記憶にある。記憶は時に洗われ次第にその角を落としていく。痛みとか、悲しみとか、恨みとか、後悔といったリアルな部分はだんだん消えてゆき、楽しかったこととかキレイなことだけが朧げに残っていく。それが想い出の正体であり、記憶のチカラなんだろうな、きっと。この記憶の働きがあるから、人の心は再び挫折や絶望の縁から立ち上がり、新しい世界へむけて歩き出すことが出来る。絶望と希望の狭間に最後まで残るのが、この匂いの記憶なんじゃないかな?

 古くから「残り香」とか「移り香」とかいうけれど、みんなにも少なからず思い当たる節があるでしょ?

 昨日はユニットA(笑)のAくんのソロ曲の歌詞を書いた後、急遽追加で来たBちゃんの仕事にとりかかり、途中でMAMiのデモのコーラス録りをしてから5時間ほど休んで再びBちゃんの執筆に取り掛かり、いま仕上げが終わったところです。次の仕事にとりかかるまでにアタマを切り替えるために、いまこのブログを書いています。

 最近はそんなこといってられないけど、基本ぼくは一眠り一曲、という制限を設けています。最初は一日一曲だったんだけど、次第にそうもいっていられなくなり、苦肉の策で一日24時間を12時間にした。そう、つまりは一日に二回眠るんです。そうすれば一日が二日になり、2曲書ける。もっと忙しい時は一日を8時間に、つまり三日にして3曲。もちろん打合せやレコーディング、撮影なんかがあるから必ずしもそう上手くはいかないんだけどね。

 睡眠クリニックの先生にはホトホトあきれられました。そりゃぁくすりも効かなくなるわな^^:だからとっかえひっかえいろんなくすりを試したりしたけど、いまじゃセロトニンとドーパミンを抑えるクスリを飲んでから眠剤を飲まないと、どんなに多量の眠剤を服用してもまるで効かない。それでも効いてる、って人はいうんだけど、ホントに効かないのね。ウソみたいに。つまり感覚と思考をフルに回転させて書いてるから、その回転が止まらなくなる。でもメジャートランキライザーで昔ひどい目に遭ってるから、それだけは絶対にもう使いません。

 ようするに天才のようにアイディアが降ってくるタイプではないので、一度睡眠で脳をクレンジングしてからでないと次にかかれないわけよ。周りの大切に思ってくれてる人たちはなかなかわかってくれないけどね。下手に減らすと、睡眠レベルが浅すぎて十分な休みが取れずに胃を悪くしたり、偏頭痛や吐き気に襲われたりして使い物にならなくなる。まああまりよろしいこととはいえないのは確かだし、できることなら自然な眠りのあの心地よさにまた浸りたいんだけどね。

 残念ながらこの部屋にはいま誰の残り香もないけれど、それがあったら眠れるのかな?

 いや、思うにムリだな、きっと。

 それにしても長いよねー、おれのブログ。そういえばCyber Agentさんから連絡が来て、4/1をもってここはぼくのOfficial Blogになることになりました。試しにいろんな知り合いのブログに行ってみたんだけど、こんなに長いのないよね?うちの社長が長いかな?でも1月で止まってるし、おれもいつまで続くことやら。

 残念なのはアメーバ公認公式ブログになるとそれ専用のトップデザインを使わないといけないんだって。イギリスのデザイナーさんには、いちどそれで立ち上げてから、またデザインを練り直して少しずつ改良していってもらうことにしました。いまここのデザインはとても居心地が良くて気に入ってるんだけど、お世話になるのにわがままは言えないからね。

 誰かうちのデザイナーさんにデザインを頼みたい人がいたら、格安料金でやってもらえるように頼むからいってね。

 そろそろ次の仕事にかかろうかな。

 あ、この写真、ジャマイカの梅なんだって。いわれてみると匂いは確かに梅っぽいんだけど、見た目が全然違う。ところ変われば人だけでなく、いろんなものが変わるんだよね。でもね、山の上にあるこの珈琲農園、涼しい風が吹いて心地よい場所でした。景色もきれいだったし。

 季節はいつの間にか梅を通り越して桜満開の時期になってしまいました。明日は散歩くらいしてみるかな?だんだん暖かくもなってきたし、まさに桜の香り漂う風の心地よい季節。しかして涼風薫花、というオチでした。

 ちゃんちゃん。

Kenn