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『楽園追放~永遠~(東京都小笠原南島扇浜)』
永遠の楽園を守るため
人々はここから追放された
上陸制限1回20名
1日5回計100名まで
1年の半分は上陸禁止
制限時間20分
孤島の楽園

 東京竹芝桟橋からフェリーで30時間、そこに東京都小笠原諸島がある。その中で最も有名なのがこの無人島南島だ。小さな洞窟から流れ込む海流がそこにエメラルドグリーンの扇型の浜辺を造り出している。まさに扇浜、まんまですみません^^:

 ここまでしないとこの鮮やかな色彩はやがて人工着色料のどぎつい色をしたゴミに汚されてゆく。ここでの上陸中は一切の飲食は禁止、ここにあるものを持って帰ってもいけない。

 まさしく楽園追放、人間とはかくも愚かなものなのだろうか?

 なんのために汚し、なんのために持ち出すのか?そこには理由などない。ただの出来心だ。そしてその出来心からぼくらは誕生した。アダムとイヴ、もし彼らが禁断の木の実を口にしていなければ、地球がこんなに汚されることはなかったのかもしれない。

 もちろん、ぼくたちも存在しなかったかもしれないけどね。

 永遠とは、確かめようとした途端にこの手をすり抜けてゆくものだ。

 ただ信じてじっと見つめる、そんな忍耐力を文明がぼくらから奪ってゆく。

 これまで小笠原諸島は東京都から自然保護助成金を受けることによって商業ベースでの観光誘致にさほど力を入れないでも生活はしてこられたらしい。が、都の財政事情からその自然保護助成金が数年前から打ち切りになった。島の人々の生活は自然保護というきれい事だけでは成り立たなくなってしまったのだ。生きてゆくためには観光事業か捕鯨しかない。観光事業を促進させれば鯨やイルカの安住の地でもあるこの島は人のものとして独占されてしまう。

 この島の行く末に日本の未来を垣間見た気がする。

 ちなみにこの写真は、慎一郎がニューヨークで退職し、ヨーロッパ放浪の旅を終えて帰国した後に風景写真家兼ライターとして仕事をするようになってから撮影した写真だということになっている。

 思わず一度行ってみたくならないかい?