「夕焼けには子どもらの遠い呼び声だけが似合う
夜へと向かう空はいつも美しすぎるのだ
人が造った地上の醜さすら許すほどに」
「夕暮れは大きな書物だ
すべてがそこに書いてある
始まることや
終ることや──
始まりも終りもしない頁の中に」
「 夕暮
誰があかりを消すのだろう
夕暮れ
あんなに静かにやさしい手で
空の全部にさわっていって
恋人たちは知っている
二人の欲望が消すのだと
子供たちも知っている
彼等の歌が消すことを
だが 私は知らない
誰があかりを消すのだろう
夕暮
それは私のお父さんではない
それは私の愛する人でもない
それは風でも思い出でもない
誰があかりを消すのだろう
夕暮れ
私が夜を欲しい時 また
私が夜を憎む時
誰があかりを消すのだろう」
『ゆう/夕』には、
谷川さんが子ども達に向けたあとがきを書かれています。
昼間は 夢中になって いろんなことをしていて
気持ちも忙しかったけど
おひさまが 沈んでいくと 昼間見えていたものが
見えなくなってきて 気持ちもなんだか シーンとしてくるね
その静かな気持ちには ちょっと寂しい気持ちもあるんだけど
昼間の自分とは違う もっと大きな自分になったようで
不思議な気がする
私が 共感する 部分で 子供の頃の気持ちも
大人になった今も 夕暮れに 感じる気持ちが
おなじことに ホッとしたかな~


