どうもある時期からテレビの情報番組のディレクターみたいなポジションに60-80年代の洋楽に親しんだひとが増えたようで、BGMでかなり聴く機会が増えた。もちろんそれ以前からBGMに洋楽はかなり使われていたのだけど、ある時期からとりわけ頻度が増えたように思う。
テレビ番組のVTRや、CM楽曲で耳にする曲たち、おなじみのあの音楽、これも元ネタがこの年代の音楽か、というのをざっとおさらいしていこう。とても一度では拾い上げきれないので、たぶん複数回にわたっての記事になると思う。
Led Zeppelin - "Immigrant Song"
"Rock and roll"、"Whole lotta love"、"Black Dog"、"Stairway to Heaven"、"Kashimir"など、一度は耳にしたフレーズが出てくる有名曲がたくさんあるLed Zeppelinだけど、このテーマでの選曲ならやっぱりこの曲の「アア~~~~~ア!」というシャウトになるのじゃなかろうか。シンプルだがクセになるようなギターとベースのリフ、パワフルなドラム、引き裂くような印象的な高温ヴォーカル。叙事性の高い歌詞、ブルース、アラビア音楽、インド音楽などの影響を受けたミステリアスな音楽性。ハードロック、ロックンロールの代名詞であり言わずと知れた不世出のバンド。
Queen - "Don't Stop Me Now"
Queenも本当にメディアでよく使われている。代表曲の"We will rock you"や"We are the champion"、"Born to love you"、"Bohemian Rhapsody"、ほかにも"Killer Queen"、"Tie your mother down"や"Bicycle race"、"Under Plessure"などなど。この曲もそのなかでもCMなどで度々繰り返し使われている。メランコリックと楽し気な感じをうまく構成したドラマチックな一曲。
Deep Purple - "Highway Star"
Deep Purpleといえばこの曲か"Smoke on the water"が二大有名曲になるのではないかと思う。テーマがHighway Starなだけに自動車関連のCMによく使われてたりするけど、この曲聴いて無敵モードになったドライバーがスピード出し過ぎて事故おこさないか心配。いずれもアルバム「Machine Head」からのナンバー。Led Zeppelinとともに70年代のブリティッシュハードロックブームをけん引した存在であるDeep Purple、ヴォーカル、ギター、キーボード(ハモンドオルガン)が競うように主旋律を交代、ベースとドラムがそこに積極的に絡んでいくアグレッシヴな音楽スタイルはいま聴いても新鮮。いまだにバンドをやるひとは若い人でもコピーするひとが多いといいます。
Cream - "White Room"
スリーピースなのにこの荘厳なイントロ。エリック・クラプトンとジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人によるスーパートリオ「Cream」のナンバー。NHKコメディ番組「LIFE」や読売テレビ・日本テレビ系列「秘密のケンミンSHOW」中で何度も使われている曲の正体はコレ。エリック・クラプトンはあまりのなめらかな速弾きに「手がゆっくり動いて見える」と「ミスター・スローハンド」と呼ばれたとか。
Derek and the Dominos - "Layla"
そのエリック・クラプトンがクリームののち、ブラインド・フェイスなどでの活動を経て結成したのがデレク・アンド・ザ・ドミノス、この曲のイントロはロック史上でもとくに有名なイントロ10選に入るであろう印象的なフレーズ。枯れたヴォーカル、激情ほとばしるギター、メランコリックなブリッジと展開の豊かさに富んでいるので、全体通して聴くと「こんな曲だったの?」となるかも。
Pink Floyd - "Money"
「コラボレーション」という英単語もまだ日本でそこまでなじみのなかった時代、アルバムアートワークや映像との連携も意識して活動したアート志向の強いバンドのひとつがピンク・フロイド。変拍子や効果音を取り入れ、深遠さを感じさせるようなコーラスワークを多用した彼らはイギリス「プログレッシブロック」の4大バンドに数えられる。ただし、ほかの3バンド(キング・クリムゾン、イエス、エマーソン、レイク&パーマー)が人的交流をもち触発されあったのに対してピンク・フロイドは(ゼロではないが)どちらかというと独自の道を志向した。有名な曲がたくさんあるが、なかでも"Money"はテレビで使いやすい曲であり、報道バラエティで金銭的な問題を取り上げるシーンなどでよく使われる。
Yes - "Roundabout"
アルバム志向の強いバンドのひとつであるイエスの代表作「Fragile(邦題:こわれもの)」のシングルであるRoundaboutは洋楽ファンならよく知る名曲だが、日本では「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメ版1st seasonのエンディングテーマとして使われ若い世代にも知られることとなった。そもそも「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズは主要な敵キャラや技名に往年の洋楽バンド名をたくさん盛り込んでいることで知られた作品らしく、ジョジョの話をしたいひとたちと洋楽の話をしたいひとたちではたびたびアンジャッシュ現象がおこる。
Eagles - "Desperado"
カントリーロック、フォークロックを志向したバンドの経験者らが集まって結成されたイーグルスは少しづつ音楽性を変化させながらアメリカ音楽の象徴的な存在として活動を続けた。最も代表的な楽曲はこの曲ともう一曲「ホテル・カリフォルニア」があるが、「ホテル・カリフォルニア」が"至高の到達点"であるのに対して「デスペラード」のほうは幾度となく他のアーティストにカバーされ、幾度となくテレビや映画で使われるポピュラーな一曲となっている。
TOTO - "Child's Anthem"
TOTOも息の長いバンドで、1976年の結成以来、小休止を繰り返しつつ現在でも(いちおう)活動を続けている。彼らの二大有名曲といえばやっぱりいずれも1982年の「TOTOⅣ」に収録されている"Africa"と"Rossanna"の2曲だと思うが、今回は1stアルバム「TOTO」に収録されている"Child's Anthem"をあえて取り上げたい。ヴァイオリニストのDavid GarrettがカバーしたバージョンがホンダのCMに使われるなど、どうも近年メディアでこの曲を耳にする機会が増えているように思うからだ。劇的な展開でプログレッシブロック色のつよいインストゥルメンタルナンバー。
Journey - "Anyway you want it"
JOURNEYといえば1981年の全米NO.1アルバム「エスケイプ」からの「オープン・アームズ」(日本では近年映画『海猿』の主題歌にもなった)や「ドント・ストップ・ビリーヴィン」(日本では近年日産・エルグランドのCMソングになった)などのメガヒット曲があるが、どういうわけかロケ番組の冒頭にめちゃめちゃ使われているのがその一作前、1980年のアルバム「ディパーチャー」に収録されているこの曲である。ほかにも1983年のアルバム「フロンティアーズ」の「セパレイト・ウェイズ」は複数のスポーツ選手がアンセムとして使用しているほか、「サンデー・ジャポン」が芸能人の離婚・不倫問題を報じるときのテーマ曲として重用している。
Herbie Hancock - "Rock it"
ジャズの巨人ハービー・ハンコックは常に様々な音楽性を包括しながら活動していったが、1983年ビル・ラズウェルをプロデューサーに迎えて制作された「フューチャーショック」はまさに未来の衝撃的な作品で、ロックやヒップホップを全面に押し出した音楽性だった。長年「踊るさんま御殿」のテーマ曲に使用されている。
Gary Moore - "Parisienne Walkways"
2011年に亡くなったギタリストのゲイリー・ムーアは70-80年代多くのギターキッズのあこがれの的だったヒーローのひとりだ。渋い声で歌い上げるヴォーカルと"泣き"のギターのスタイルはほかに類を見ない。この曲は1978年の1stソロアルバム「バック・オン・ザ・ストリーツ」からの一曲で彼の名刺代わり。羽生結弦選手が2012-2013年ごろプログラムに取り入れたことで一躍お茶の間でも話題になった。なんと過去には郷ひろみも日本語歌詞でカバーしているらしい。
Genesis - "Invisible Touch"
電子ドラムの使用など音楽的に様々な先見性を見出した「ジェネシス」。前述のプログレッシブロック4大バンドにジェネシスを加えて5大バンドと呼称する向きもあるという。次第にポップな色合いを強めていき、当初ドラマーだったフィル・コリンズもだんだんとヴォーカリストとしての役割が強くなっていく。「とくダネ!」のテーマ曲に使われてた時期がある。
Mr. BIG - "To Be With You"
1989年にデビューしたMr. BIG(ミスター・ビッグ)、ヴォーカルのエリック・マーティン、ギターのポール・ギルバート、ベースのビリー・シーン、ドラムのパット・トーピーと不世出の個性が集まったバンドで、日本では特に人気が高かったため「ビッグ・イン・ジャパン」などと揶揄されたそう。テクニカルなハードロックを得意とした彼らが、もう一方で高い人気の秘訣としたのが美しいバラード曲である。これもCMやテレビでよく使われるのを耳にする一曲。



























