#シラスフロントロー 

第47回 

Ray Kurzweil『The Singularity is Nearer』

最優秀批評家賞 a24koide

平均点86点(最低70点、最高95点)。

 

批評コンセンサス

 

日本語版は未出版であるが、英語の原書で読んで合評した。カーツワイルのシンギュラリティ論は、指数関数的な計算量の増大を主な論拠とするが、本書は生物進化や分子過程を含んだ広範な論点を扱う。しばしばITやAIが経済成長をもたらしていないという批判があるが、カーツワイルはGDPでは測れない情報量の爆発に注目する。将来的にはナノボットが医療に革命をもたらすと予想するが、デジタルコンピュータと、分子機械の熱力学的環境の違いをどう接続するかが鍵だろう。技術的プロメテウス主義の代表的な論客による読み応えのある論考である。

 

議論の詳細(番組アーカイブ)

https://shirasu.io/admin/t/kenmogi/c/kenmogi/p/20240626050656