昨日は、ドリームハートの収録に、経済思想家の斎藤幸平さんがいらした。放送は2月上旬の予定です。斎藤さんのお仕事には以前から注目していて、晩年のマルクスが自然と人間の関係や環境問題に注目していたことを掘り起こしたのは画期的な業績だと思う。

 

エンゲルスがマルクスの資本論などのしごとをまとめて世に出したことは良かったが、その過程の取捨選択でマルクスの自然観や、環境問題への意識が隠蔽されてしまったことは歴史的な損失だった。斎藤幸平さんのお仕事でそのミッシングリンクが埋まりつつある。

 

私が斎藤幸平さんのマルクスに関するお仕事に注目する理由の一つとして、そこで現代的に再解釈されている「疎外」や「外部性」、そして「コモン」などの概念が、すぐれて脳科学的、認知科学的であるという側面もある。マルクスの認知科学的接続はこれからあり得る。

 

また、ChatGPTをはじめとするLLM、生成AI一般が、人々が生み出したデータを資源として発展し、そのことによって膨大な利益が生まれ、資本主義に新展開が生まれていることもマルクスの現代的接続として注目される。斎藤幸平さんとこのあたりのことをじっくりお話しする機会があったらと思う。

 

追記。マルクスの可能性の中心を本格的に議論すべき時が来たのだと思う。