昨日は、表参道のスパイラルで建築模型展があり、それに関連してImaginez大学 

@imaginez_d の公開収録があった。伊東豊雄、石上純也、大西麻貴さんの三人の建築家にお話をうかがった。会場の7割が学生さんだったとのことで、全国からいらしていただいてうれしかった。

 

大西麻貴さんの言葉の力にほんとうにしびれた。今泉みね著『名ごりの夢』から、「あのころの芝居見物」を引用され、ずいぶん長いところを朗読された。建築を、その中に入ったひとの一連の経験としてとらえるという姿勢が、すばらしいと思った。

 

大西麻貴さんは、また、建築には、たぬきの毛皮や象の皮膚のような、生命体、有機体としての自然な姿があるのではないかとお話されて、この方は建築の未来の完食をつかんでいらっしゃるんだなと思った。伊藤豊雄さんは、阿蘇の「熊本地震震災ミュージアム KIOKU」を見て、「新しい建築の誕生」と。

 

石上純也さんで私が衝撃を受けたのは、忘れもしない、東京都現代美術館に展示された「四角い風船」である。その後も建築の詩人としてのお仕事ぶりは素晴らしいが、その石上さんの仕事が、実は「建築」のど真ん中を歩いているということを納得させられた。

 

石上純也さんの、地球の薄い空気の膜の中に住む私たちの地平線に向けたパースの捉え方と、それを建築に落とし込むロジックはすばらしかった。終演後も、たくさんの学生たちが石上さんに熱心に質問していた。

 

伊東豊雄さんに初めておめにかかったのは、2009年4月放送のプロフェッショナルである。それ以来、折にふれてお目にかかってきたけれども、その穏やかでやわらかなお人柄の背後にあるマグマのような情熱に、今回も魂の芯をつかれた。

 

建築というもの、それが人間の「生きる」にどうかかわるかという視座において、伊東豊雄さんの持っている熱いマグマが、「みんなの家」のようなやわらかな公共性に着地するプロセスは、ほんとうの意味での「奇跡」だと思う。

 

追記。建築とは、総合芸術であり、結局は人間性だと思う。