シラス合同批評会 「フロントロー」第2回 映画 『福田村事件』 (2023)  

 

平均点数 77点 

 

批評コンセンサス 

 

日本社会で長くタブーとされてきた題材を劇映画として成立させたことは高く評価される。衣装、プロダクションデザインがすぐれ、キャスティングも巧みで、役者の個性が際立っている。本好きの少年が最も優れていた。一方で、脚本やキャスティングにおいて、当事者の立場、とりわけ当時の在日朝鮮人の方々の視点が十分に生かされていたかということについては疑問が残る。地震によって流れが変わった川で、行き先のわからない舟という象徴表現は一つの高みに達していた。

 

議論の詳細は番組アーカイブで。