今年はとにかく異常に暑かった。特にぼくのようにほぼ毎日走るランナーは、暑さを体感していた。朝早いうちにと思っても、すでに気温が高い。夕方涼しくなってからと思っても、ずっと暑い。しかも、切れ目がない。こんなことは記憶にない。

 

統計的に見ても、観測史上最高の温度だったようである。このような時に持ち出されるのが「平年」との比較だけれども、10年に一度、1で終わる年に、過去30年間の移動平均が更新されるようである。概ね妥当な定義だと想うけれども、これからは考える必要があるかもしれない。

 

地球温暖化で、そもそも「平年」が変化してしまったら、昔に比べたら異常な暑さでも、「平年並み」になってしまうかもしれない。より中長期的に見て、どのような変化があるのか、わかりやすく伝えるなんらかの指標が必要かもしれない。

 

例えば、今までの「平年」との比較に加えて、「30年前」、「50年前」、あるいは「100年前」と比較するとか、場合によっては気温変化のグラフそのものを提示してしまうというのが、これからの気象情報のキモになるかもしれない。

 

大規模シミュレーションで、いわゆる地球温暖化との関連も可能性としては指摘されているけれども、今年の暑さの根本的な要因はピンポイントで特定できるようなものでもないようだ。変動する中で、全体としては確実に気温上昇している。そのような変化を的確に伝える概念や言葉がほしい。

 

案外、私のようにほぼ毎日ランニングしていると、気温の変化が体感でわかる。やはり、自然と対話するのが、気候変動をとらえるもっともロバストなアプローチのようだ。単なる気温の変化だけでなく、自然界の様子の移ろい(たとえば南方系の種が定着するなど)にも目を向ける必要がある。

 

追記。「気候テック」と言ってはやす向きがあるが、経済の外部性を扱うテクノロジーは、政治やレギュレーションと一体で、今までのITやAIの産業とは様相が異なる。注意深く見ていく必要があると思う。