街を歩いていたら、少し離れたところで、わー、わーという声が聞こえた。
なんだろう、と思ったら、映画『カッコーの巣の上で』の「チーフ」のようなガタイのいい兄ちゃんが、叫びながら歩いてきている。
朝だし、通行人もたくさんいるし、そんなにアブナイ感じじゃないんだけど、その「わーわー兄ちゃん」が歩きながらこっちに来るので、信号待ちをしている私は、内心びびった。
ところが、そこでいいことに気づいた。私は大きな警察署の真ん前にいたのだ(笑)。あのわーわー兄ちゃんが来ても、警察の前だから、なんとかなるだろう。ちょっとこわいけど。
ちょうど信号が青になったので、私はわたり始めた。そしたら、驚くべきことが起こった。
「わー、わー」と叫びながら歩いていたその兄ちゃんが、なんと、警察署に入っていったのだ。
むむむ?(笑)。
えっ、あの人って、警察の人だったの?(笑)。ひょっとして、私服で出勤して、これから着替える?
でも、わー、わーって叫んでいたけれど。。警察の方って、普通は冷静沈着で、ああいう感じじゃないけど。。
あるいは、何か、届け出とか、相談に行ったのかしら?
ひょっとしたら、まさか、自首?(笑)
いろいろハテナが飛び交う中、私は、とりあえずわーわー兄ちゃんと離れてよかったとほっとした。そして、わーわーと叫ぶこともなく、東京の街を歩いていったのだった。
(クオリア日記)