自民党の女性議員のパリ視察旅行で、エッフェル塔の前のポーズを含む料理とかをネットにあげていたことが炎上している。議員が特権を持っているというイメージらしいけれども、どこかに旅行にいって写真をあげるというのはむしろ庶民的な感覚だと思う。

 

昨日このことについて一つツイートしたら、たくさんのご意見をいただいた。統計的に要約すると、実際に日本人には余裕がない、そしてそのような日本にしたのは自民党だということらしい。それならば、次の選挙で政権交代すればいいだけの話だと思う。

 

以前から言っているように、私は日本の政治で最も大切なことは今よりももっと政権交代があることだと思う。もし自民党の議員さんが庶民の余裕のない生活から見たら乖離した余裕のある行動をとっていると思うのならば、選挙で示せばいい。それ以上でもそれ以下でもない。

 

いただいた意見をアンサンブルとして見ていて解せなかったのは、パリに出かけること自体を無意味とか無駄とか言う主張で、ネットで情報収集すれば行かなくて済むとか、そういう考え方は人間の経験とか学びの本質がわかっていない的外れの思考だと思う。

 

国会議員だから、普通の人がいけない立法府や政府関連機関に行ったり、向こうのlaw makerと話すといった時間は持てるだろうし、実際持っているんだと思うけど、それ以外に、パリの町並みとか人々の様子とかそういうところからいろいろ知見を得ることも重要だ。

 

視察旅行に家族をつれていくのが不適切、という主張もところどころにあったけれども、全く理解できない。今大切な価値とされているワークライフバランス的にも、むしろ好ましいことではないだろうか。

 

非常に多く見られた、日本が30年間経済成長していなくて負担率が上がって余裕がなくなったのは自民党政治の無策のせいだという主張は、無関係ではないと思うけれども、それだけではない複合的な要因だと思う。いちばん肝心なのは、日本人にインテリジェンスがないことではないか。

 

常々もうしあげているように、無意味な中学入試のようなペーパーテスト信仰、クイズ番組、バラエティ、批評性のないお笑い、きちんと仕事をしていないメディアの報道、批判的思考を持って自分で判断するメンタリティの欠如など、政治だけではない複合的な要因で日本は衰退しているのだと思う。

 

写真何枚かで自民党の視察旅行の全体がわかった気になったり、それを叩く空気に自分で考えることなくのっかったり、空気と異なる自分の考えを述べる人に「逆張り」などと言ったり、そのようなインテリジェンスのない思考停止の考えなしこそが日本の没落の原因ではないだろうか。

 

ところで、私は「エッフェル塔写真」が炎上した日に「キザ山キザ夫」のキャラでコメディを一つあげ、今朝も「いわしおばさん」のキャラでをあげる予定。時事はコメディでその日のうちにメタ認知するという基本動作ができていない日本のゆるい「お笑い」は、日本没落の原因の一つだと思う。

 

昨日のツイートに付け加えれば、エッフェル塔写真事件に対する日本人の反応の限界は、余裕のなさと同時にユーモアのセンスの欠如だろう。毒にも薬にもならないゆるいお笑いを良しとしている日本の社会構造の中に、30年の没落の根本原因があると私には思える。