ぼくは普段は英語圏のコンテンツしかほぼ見ないし、聞かないけれど(落語は例外)、海外の知的エリートと、日本で受けている「論客」を比べた時の最大の違いは、前者は人が良いのに対して、後者はちょっと意地悪だったり、攻撃的なところが受けているということだと思う。

 

3月の「人工知能革命」以来、本当に多くの議論やトークを聞いてきたけど、英語圏の人工知能の立役者、たとえばヒントンとかアルトマン、サツキバーとか、みんな本当に素直でいい人たちで、話から善意と人柄の良さがにじみ出ている。

 

何よりも感じるのは、人の話をちゃんと聞くということと、謙虚であるということで、マウンティングをしようとしないし(ヒントンなんか、そもそもそういうことに興味がない感じ)、知らないことは知らないというし、他人から良いところを受け止めようとする姿勢がある。

 

また、今人類が直面する問題について、前向きに取り組んだり、そのときに自分ができることと他の人とコラボしないとできないことの切り分けができていて、その中で自分がやるべきことにベストを尽くすという姿勢ができている。

 

比べて、日本で受けている「論客」たちは、なぜこんなに意地悪で、やたらとマウンティングをとりたがって、人の話を聞かないのかと思う。ふだん日本語圏のコンテンツは(落語以外)一切見ないので、時々目にするとびっくりする。

 

現代の日本では、意地悪なことや、マウンティングすることを「賢さ」と勘違いしているんじゃないか。本当の賢さは、もっとやさしくて、善意に満ちていて、素直で、人の話を聞くということを、特に若者たちに知ってもらって、できれば英語圏のコンテンツをシャワーのように浴びてほしい。