先日、地下鉄に乗っていたら、はっしゃぎりぎりでかけこもうとしているおじさまがいた。
それで、おじさま、ドアが締まりかけて、ホームドアもしまりかけているのに、ドアの間に両手をはさんで、ねばって、ぐいと広げて、そのまま乗ってしまった。
締まりかけていたドアとホームドアががーっと空いたのだ。車掌さんが開ける判断をしたのだろう。
そのはずみで、おじさんが脇にかかえていた新聞がホームに落ちてしまったけど、おじさんは気にするそぶりも魅せなかった。
ガラス越しに、それが競馬新聞であることがわかった。
列車が発車してから、「駆け込み乗車はおやめください」という車内アナウンスがあるかなあ、と楽しみにしていたけれども、けっきょくおとがめなしで何もなかった。
おじさんは涼しい顔で座っていたけど、競馬の予想はだいじょうぶなのだろうか。
(クオリア日記)