先日、コンビニに行って、雑誌のコーナーをくるっと回ろうとしたら、奥の方でおじさまがトイレのドアをゆすったりしている感じだった。


 そこには個室がふたつあるのだけれども、どちらも埋まっているみたいだった。


 あらら、おじさま、トイレいきたいのにお気の毒、と思いながらいくつかカゴに入れてレジに向かった。


 そうしたら、さっき、トイレのところにいたおじさまがレジの前に立っている。


 どうやら、トイレから移動したらしい。


 電子タバコかなにかを買おうとしていて、レジの中のおばさまと会話をしている。

 

 それが、プルームテックとなんとかとかいう形式が違うのがあるらしく、おばさまが、それはなんとかですよ、プルームテックじゃないですよ、と言っている。


 少し時間がかかりそうだ。


 そうか、トイレが埋まっていたから、あきらめて、とりあえずタバコ買いに来たのか、と思って、でも、おじさま、トイレはだいじょうぶかなあ、となんとなく足元を見ると、おじさまの足元がクロスしている。


 昔、赤塚不二夫さんの漫画とかで見た、トイレをがまんしているひとの足のかっこうで、クロスしている。


 こころなしか、震えているような気もする。


 おじさま、がんばれ!


 トイレに耐えて、買い物がんばれ!


 だいじょうぶ、きっとすべてうまくいくさ!


 ぼくはもうひとつのレジで買い物を済ませ、おじさまのご多幸を祈りつつ冬の街に出ていったのだった。


(クオリア日記)