今日の長いユーチューブ動画「ディストピア小説の古典と銀河ヒッチハイクガイドから考える現代の人類にとって切実な物語」(仮題)でも触れたけど、ダグラス・アダムスの頭の良さってすさまじいなあと思う。


 「銀河ヒッチハイクガイド」は、ポピュラー文化にあまりにも浸透していて、すっかり知っている気になっていたけれども、今回、初めてオーディオブックで最初から最後まで聴いて、ほんとうにびっくりした。


 ぼくはぼんやり生きているから、例の「42」が、「生命や宇宙、すべてのことに対する究極の答え」だということは当然知っていて何度もその話をしていたんだけど、では、「42」が答えになる究極の問いは何なのかということを、地球というスパコンが何百万年もかけて計算していたのだという設定は知らなかった(笑)。


 それで、その「究極の問い」が何なのか、あと5分で計算が終わるというときに、宇宙にハイウェイをつくるために邪魔になるからというので地球が破壊されてしまうわけだけど、何しろ地球全体がスパコンだったから、いきのびた地球人のArthur Dentの脳の中に、「究極の問い」がなんなのかというヒントが残っているかもしれない、という設定にはびっくりして「すげー」と思った。


 「究極の問い」が何なのかというヒントは、私たち一人ひとりの脳の中にある。

 動画の中でも触れたけど、このようなクレバーさってイーロン・マスクが何回も引用するような浸透力があるし、もともとBBCのラジオ番組だったけど、こういう感じが入ってきていないのが日本の限界だと思う。


 友人の中では、池上高志がこういうクレイジーな思想を空気のように吸っているしまた生きている。


(クオリア日記)