昨日は、帝国ホテルで、開高健ノンフィクション賞の授賞式。

 他にも、柴田錬三郎賞や、すばる文学賞、すばる文学新人賞の授賞式。

 いわゆる、集英社四賞。


 例年だと大規模なパーティーがあるのだけれども、今年はコロナで授賞式のみだった。


 控室からトイレにいって戻ってきたら、集英社の岸尾さんが、茂木さんに挨拶に来た方がいらしたのに、とか言う。


 それはすみませんでした、と時間になって会場に歩いていったら、前にどこかで見た方が。


 川上未映子さんがふりかえって、「あら、茂木さん、さっきお部屋にいったのに!」と言われた。


 川上さんだったのか!


 川上未映子さんは、「乳と卵」(Breasts and Eggs)が英語圏をはじめとして各国で大変な評判。


 その関連作品である『夏物語』をしばらく前にぼくがネットでレビューしたから、そのことでいらしていたのかなあ、と思った。


 歩きながら、「川上さん、来年は、ブッカー(翻訳)賞ですね!」と言ったら、川上さんが謙遜されて、「いえいえ」と言われる。


 「今は(日本の女性作家が)ブームなんですよ。でも、一方で、短い方がいいみたいだから」と川上さんが言われる。

 「(乳と卵の英訳は)長くなったのですか?」

 「そうなんです。かなりの厚さで。お送りしますよ!」

 「いえいえ、自分で入手します、だいじょうぶです!」

 「あっ、そうですか?」 

 

 最後に、「でも、(評判を見ていると)やっぱりブッカー賞ですよ!」と言ったら、川上さんは笑って行かれてしまった。


 川上さんは作品も凄いけれども、存在自体になにか異次元のリアリティがある。


(クオリア日記)