昨日の藤倉大さんの新作オペラ『アルマゲドンの夢』はほんとうに良かった。


 日本語、英語で、十分とは言えないけれども、レビューができてよかった。


 それで、真面目なレビューはすでにあげた通りだけれども、B面のレビューをこれから書こうと思う(笑)。


 藤倉さんの今回のオペラ、いわゆるアカデミックな意味での現代音楽の書法で、音楽の歴史のまさに最先端の芸術である。


 それで、現代音楽だから、かつてのオペラのようにわかりやすい旋律や、耳にやさしい進行はない。


 それでも、その複雑な豊かさの音にぼくは聞き惚れていて、100分があっという間に経ってしまった。終わったとき、「えっ、もう?」と驚いたほどたった。


 でも、周囲の人を見ていると、あまりにも現代的な芸術ぶりに、うとうとしている方もいた。


 頭が前に垂れて、はっと気づいて起きて、また前に垂れる方ちらほら。


 それで、時々、劇場のあちら、こちらから、バタン、という音が聞こえていたので、なにかと思っていたら、ぼくの近くの人がそうなってやっと真相がわかった(笑)。


 入場時に、配役などが書かれた紙の入ったビニルの袋をもらったし、有料のパンフレットを買う人もいたのだけれども、座って聴いていて、うとうと首が前に垂れて、それでなにかの表紙に手に持ったり膝の上に載せていたパンフレットや袋が客席から落ちて、バタンと音がしていたのだ(笑)。


 ぼくの近くの人も、そうやってバタンと音がして、それではっと気づいてまた気を取り直して観ていた。


 お断りしますが、これは、藤倉さんの音楽が退屈だったとかそういうことではなく、何しろアカデミックな意味での現代曲なので、聴衆のなかにはうとうと反応をしてしまった人もいた、ということでした。


 脳は認知的負荷が高いと寝るという反応をすることもあるのです。(笑)


 藤倉さんの音楽、なんどかじっくり聞くと、その良さがしみこんでくると思う。


 終演後、みんな熱烈な拍手を送っていたけれども、あらかじめアナウンスでブラボーはしないでくださいと言われていたので、拍手のみ。


 それでも、藤倉さんが出たときなど、奥の方からブラボーの声が2、3上がっていた。


 迷ったのはスタンディングオベーションをするかどうかで、それについては特にアナウンスがなかったような気がするんだけど、ソーシャルディスタンス的に立つとどうなのかよくわからなくて(あまりディスタンスは変わらない気もするけれども)、結局立たずにしました。


 みんなも座ったままで、熱烈に拍手をしていた。


 以上、レビューB面でした(笑)


(クオリア日記)