昨日は立ち回り先が、二重橋、半蔵門、永田町、赤坂と続いたので、そこをずっと歩きながらジョージオーェルの『1984』の英語の朗読を聞いていた。


 昼間だったのが、次第に夕方になって、やがてとっぷり暮れた。


 だから、ぼくの脳の中では、あのあたりの街の景色が、オーウェルの小説のクライマックスと分かちがたく結びついてている。


 ウィンストンがついにビッグブラザーを愛するようになったのが赤坂見附あたりで、そのあと赤坂に移動しながら、ぼくは小説本体が終わった後のニュースピークの解説を聞いていた。


(クオリア日記)