池袋の暴走事故、亡くなった方やご遺族の方のことをおもうと、本当につらく、あってはならない事故だったと改めて思います。


 加害者になられた飯塚幸三さんに対して、「上級国民」であるとか、そういうイメージに基づいてあれこれ言うのはどうかと思いますし、ましてや飯塚さんのご家族や関係の方にいろいろ言うのはよくないと感じます。


 その上で、今回、飯塚さんが裁判で自動車の不具合を主張されたことには強い違和感を抱かずにはいられません。


 飯塚さんご自身は卓越したエンジニアであり、長年、定量的、システム的な視点からさまざまな研究、開発をされてきたものと思います。


 そのようなご自身の経験からして、このような事故が、人間側の思い込みや勘違いといったヒューマンエラーに基づくものなのか、それとも自動車の誤動作によるものなのか、その蓋然性はご判断できるのではないでしょうか。


 もちろん、あらゆる可能性は否定できるものではありませんが、むしろ、飯塚さんが、ご自身が引き起こされた今回の事故において、人間の思い込みや認知エラーの起こりやすさ、その恐ろしさを顧みられて、それを制御、抑止するための技術的解決(周囲の状況のデータを収集した上での自動停止装置や、自動運転など)の大切さに思い至られて、その必要性を反省を込めて主張されたらよかったのにと思わずにはいられません。


 残念です。


 改めて、亡くなった方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の方への心からのご同情、哀悼の意をいだきます。


(クオリア日記)