某テレビ局の企画会議にて。


 やり手のプロデューサ、照日大毛野(てれびおおもの)が仕切っている。


 「というわけでね、もう、シャアハウスに男女がいて恋愛模様、みたいなリアリティTVはわれわれとしてもできないから、他のリアリティTVの企画を立てたいんだけど、何かいいものはないかね?」


 「どんなものでもいいんですか?」


 「もちろんだ。」


 「従来のテレビの枠を破るものでもいいんですか?」


 「もちろんだ。」


 「じゃあ、わかりました。日本にいるエジプト人さんを起用して・・・」


 「うん、エジプト人さんを起用して、どうするんじゃ?」


 「小池百合子東京都知事を直撃して、アラビア語で話してもらう抜き打ちテストはどうでしょう?」


 「そんなの放送できるはずがないだろう!」


 「わかった!」


 「なんだ?」


 「アメリカ軍兵士が、アメリカを出発して、沖縄に来るところを密着するのです。」


 「ほうほう、それで?」


 「日米地位協定で、パスポートのチェックも何もなく、入国し放題、いったん入国したらどこでも行き放題、こりゃいいなあ、というドキュメンタリーはどうでしょう?」


 「そんなの、放送できるはずがないだろう。他にないのか。」


 「戦後、長年華々しく活躍してきた大スターが、実は在日韓国人の方で、でも日本的な名前でやらないと売れないから、それで売ってきた、という愛と感動のドキュメントはどうでしょう?」


 「そんなの、放送できるはずがないだろう。」


 「あの~思うんですけど」

 

 「うん? なんだ?」


 「今言っていたこと、全部、アメリカとかイギリスのテレビだったら、放送できると思うし、コメディでもやっていると思うのですが・・・」


 「ここは日本だ、そんなの、放送できるはずがないだろう。。。じゃあ、やっぱり、男女の恋愛ものでいくか・・・。」


 「振り出しに戻るですね・・・。」


 照日大毛野がずっこける。


 効果音「じゃんじゃん。」


(もぎけんのデイリーショー)

(照日大毛野)