今回の都知事選で、テレビが討論会をやらなかった、ということを批判する方々がいて、もちろんそれは重要な論点だと思うけど、逆に言うと、テレビってそんなにまだ影響力あるんだっけ? と思う。


 少なくともぼくの周りでは誰も見ていない。


 話題の中心は、ネットフリックスやアマゾンプライムの新作ばかり。


 日本のテレビの放送文化は、ぬるいお笑いや芸能事務所支配にNHKまでどっぷりつかって、見るべき変化はこの何年も何もないという気がする。


 グローバルに文化を見たとき、日本のテレビに注目すべき要素はほとんどない。


 たとえば、在日韓国人の方への差別や、戦後、多くの方が通名をつかって芸能活動をされてきたこととか、明治維新、日本の近代化の功罪とか、そういうことについて『ハミルトン』的なすぐれたクリエイティヴでもあれば少しは放送文化が進むのだろうけれども、その気配もない。


 ぼくはすっかり諦め、スルーモードで、日本のテレビにアクティヴな関心はNHKを含めてもはやないけれども、選挙のときだけ何か役割を期待してやっていないなあ、などと言うのも、おかしな話しだと個人的には思う。


 ここまで停滞している国も珍しい。


(クオリア日記)