1317回


ミータカさん


24歳男 大学生
茂木先生、こんにちは。
私の疑問は、人は何のために生きるのか、ということが、脳の働きの観点からどう説明されるのか、ということです。
茂木先生の人生の経験という側面からも、その問いにどう答えられるのかが知りたいです。
僕自身は、主観的な見方からして、生きる目的は、生きる意味を知るために生きている、ということなのではないかと思っています。これは時間の流れに沿ってその時々に触れる経験の意味を解釈したり理解したりすること自体が、生きる意味を充足しているという考えです。それは、単に欲求を満たしたり本能に従うことと次元が別のことだと思うのです。
先生のお考えを是非お聞かせください。


ご回答。


人生の「目的」は、脳が経験していることを整理してわかりやすく把握するための一つの「物語」です。


行動のすべてが「目的」から導かれるわけではなく、あとからそのように整理してつじつまを合わせるのです。


このような「合理化」は「目的」だけでなく、脳の働きの多くの部分で見られます。


もちろん、「目的」から導かれる行為もあるのですが、それはすべてではないのです。


前頭葉を中心としたこのような統合作用は大切なので、目的という「物語」を磨き上げることが必要です。

nounandemo
 
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