1312回



ゆうらさん


茂木先生、

こんにちは。いつもブログ、YouTube等拝見させていただいており、沢山の文章に励まされております。ありがとうございます。私は現在大学生の者です。
高校生の時から質問をしようとしては、「いやまだ大丈夫。」と言い聞かせては消してを繰り返し、現在、いてもたってもいられなくなり、遂にコメント致します。

私の父の件です。父は自分の思い通りにいかなかったり、同調をされなかったりするとすぐに不機嫌になり、母に対して感情に任せて様々な事を口走る癖があります。長々と私たちが聞いていられないような事を散々言った次の日の朝には、「売り言葉に買い言葉だよ」と言って穏やかになります。例えば、母が携帯で音楽を聴いているのが気に食わず、聴くなと言った次の日には、音楽は沢山聴いた方が良いとにこやかに言ったり、父の政治に対しての意見(これがまたほぼ悪口で尚厄介なのです、、)に少しでも「それはそうかなあ」等と言った際には、母の人格を否定するような、もう本当に何の脈絡もない訳のわからない暴言を吐きます。とにかく常に父の思う通りにならないと、話し合いにならないのです。これらは本当に一例に過ぎませんが、毎日このような事の繰り返しです。

昔から両親の夫婦喧嘩には慣れてきたつもりですし、この人はこういう人なんだなという理解によって、怒りや悲しみを沈めたり、物事を楽観的に考える力がついたと思っています。
しかし、やはり父の暴言の声を聞いたり、この後面倒な事がが起こるな、という想像により、一気に食欲が無くなり、動悸が激しくなり、何もする気が起きなくなります。正直、しんどいです。
特に、母が非常に気丈な人であり、普段感情的にならない母の気持ちを考えると本当にいてもたってもいられなくなります。

また、騒動が起きた際に嫌な態度をとることをグッと我慢し、普段は大学等の世間話をします。ずっとこの穏やかな人でいてくれないかなあと、切に願ってしまいます。私は人間の性格は変えられると考えますが、父に関しては考えるだけ無駄な行為であり、自分たちの対応を変えるのが最善策だと思う癖がついています。

茂木先生はどのようにご理解され、お考えになられますか。また、騒動が起きた際に、どのように対応したり自分の脳内で考えたりすると、乗り越えられますでしょうか。何に関してでも、茂木先生のお言葉がいただけましたら幸いです。


ご回答。


お父さまに必要なのは、メタ認知で、それをうながす鏡ですね。


ご家族だとむずかしいので、誰か身近な第三者にやんわり穏やかに言ってもらえるといいと思うのですが。


人間は変われないものですが、変わるときにはあっという間に変わる存在でもあります。


お父さまが、ご自身の姿を鏡にうつしたようにはっきりと見て、それを「恥ずかしい」と思えるような機会があるといいのですが。


一方、ゆうらさんはできるだけお父さまのことを気にしないで自分の人生を歩まれたらいいのかなと思います。


遺伝的要因をのぞいて、親の特性が子どもの性格に与える影響は統計的にゼロです。


https://faculty.weber.edu/eamsel/Classes/Child%203000/Lectures/3%20Childhood/SE%20development/JudithHarris.html


親は人生で会うさまざまな人たちの一人に過ぎず、ゆうらさんのお友だちなど、さまざまな影響の「何百分の一」、「何千分の一」に過ぎないのです。


そう考えたら、お父さまのことも気楽に思えてきませんか?


すてきな人生をお送りくださいね!

nounandemo
 
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