1228回
マー君さん
茂木健一郎先生、精神疾患の人は、早期で治る人は完治しますが、長期になるほど、完治しないと言われてますが、長期の人は治る可能性がゼロなのでしょうか?いい薬が出ればいい訳だしIPS関係の薬で、脳内の神経伝達物質がバランス良く動けばいいと思いますが? 神経伝達物質は、どうして、1度おかしくなると駄目になるのでしょうか?完治する可能性の方法や生活スタイルを教えて下さい。アドバイス程度でよろしいです。茂木健一郎先生、宜しくお願い致します!
ご回答。
脳の状態としては、連続的な変化があるだけで、そのどこかで「疾患」として区切りをするのは、人間の認知なわけです。
ですから、ほんとうは「疾患」も「正常」もなくて、ただ、ある脳の状態が、ご本人にとっても、また環境への適応という意味においても、数々の困難をもたらすことがあるということです。
それで、医療は、上の「認知」による「区切り」を前提にしますから、治療するとか、そういう話をしますが、それは便宜的なことだということです。
「長期」になった場合、その方、ないしはその周囲との関係が、その脳の状態にうまく適応して補ったり修正したりして、ある程度の安定を得られることになるので、もはや「治す」というパラダイムが意味を持たなくなるのではないでしょうか。
自分のあり方を受け入れることは誰にとっても大切な課題ですが、それが特に難しいことがあるということです。
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