1211回
人参・朔さん
茂木さん、こんにちは。
朔と申します。
僕は教職を目指す大学3年生です。教職という進路を考えるにあたり不安があり、現状や傾向などについて茂木さんの考えを伺いたいです。
僕の持つ不安は、自分がマイノリティに属する場面が多いことです。例えば、僕は自閉症スペクトラム・ADHDの診断を受けており、人よりその特性が強いです。学校では友達関係が苦手でいじめられてきました。また、先生の中では少数派かと思いますが、勉強が出来るほうではありません。解答例とは全く違う解き方をするなどして、先生も正解かどうか分からないために、なるべく解答例と同じ解き方をするよう言われてきましたが、なかなか難しく感じます。そしてそれは普段の考え方や発言にも似たようなところがあり、正直あまり人とうまくいきません。
こんな僕が教職に進もうと決めた理由は、中学の先生に「教職に向いてはいないが、君のような人が必要だ」と言われたからです。僕自身も、子どもが多様な分、教師にももう少し多様性があっても良いのではないかと思います。もし僕が教職に就くことでその助けになれば良いです。しかし心配もあります。
学校現場というのは、まだまだ差別意識が強いと聞きます。その現状があるなら変える努力をするしかないのですが、誰かしらが標的になるとすれば、それは自分だろうな、と不安にもなります。様々な特性を持った自分が生きていける世界なのだろうか・・・と。
中学の先生が言った「向いてはいないが」というのも、そのあたりのことのようです。
そのような学校現場の側面について、茂木さんはどのように感じ、考えておられますか。
ご回答。
人参・朔さんが書かれている文章を読ませていただくと、いろいろなことに配慮が行き届いていて、先生に向いていらっしゃると思います。
教育実習なども経験されていくのだろうと思いますが、その現場で、いろいろと感じ、考えられたら良いのではないでしょうか。
生徒の多様性を大切にすると同時に、そのためにも、教師の側の多様性も大切にすべきだというのはほんとうにその通りだと思います。
いろいろ不安もあるでしょうが、ぜひ教職を目指されたらいかがでしょうか。
一つポイントになるのは、今は、学校のあり方も多様化し始めていて、いわゆる普通の、典型的な学校以外にも、公立、私立を含めていろいろな学校が生まれ始めています。
世の中にどんな学校があるのか、生まれようとしているのか、情報収集をしつつ、典型な学校を含めて、自分にあった仕事の場、活躍の機会を探られたらいかがでしょう?
なお、「解答例とは全く違う解き方をするなどして、先生も正解かどうか分からないために、なるべく解答例と同じ解き方をするよう言われてきました」ということですが、すばらしい個性だと思います。
天才物理学者のファインマンさんも、「違う道具箱」という表現で、そんな解き方をされていたようですよ!
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