1210回


ヒロキさん


茂木先生、こんにちは。
茂木先生の学識ある文章に、「理屈で話したいのにみんな要約して話す…」という寂しい気持ちがいつも救われています。

疑問ですが、一般にいわれる「やる気」とはどのようなものなのですか。
例えば、  〈練習した→結果が出た〉
という図で考えれば、「『やる気』があったから良質な練習ができ、『やる気』があったから目標を満たす結果が出せた」と、どちらの要因にもやる気が関わっているように思えます。

茂木先生がお考えになさるやる気を教えていただけたら幸いです。


ご回答。


脳の働きから見れば、やる気があろうと、なかろうと、とにかく行動することに意味があります。


その結果、感覚入力と運動出力の間にフィードバックが起こって、学習が成立するわけです。


やる気は、行動している自分を説明する、把握する一つの原理です。


それは一つの仮説であり、その仮説に基づいて行動できればそれでいいですし、場合によってはやる気という仮説もなしで、とにかく行動してさえすればいいのです。


また、行動しないことの理由づけとして、「やる気がない」と、その不存在を根拠にすることがあります。


このような状況なので、「やる気」は機能的にとらえ、それがあろうとなかろうと、とにかく行動するのが「吉」なのです。

nounandemo
 
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