1160回


tactさん


茂木さん、こんにちは。
脳の仕組みについて質問です。

わたしは今、30代半ばですが、最近になって「今・ここ」に集中する感覚を味わうことができるようになり、その間はとても心地よいように感じています。

でも、その状態を保つためにはエネルギーを使うといいますか、疲れてしまうのです。気を許すと、ふと過去のことを後悔したり、未来のことを心配したりしているので、「あーしまった、今・ここだ」と意識しなければなりません。

そこで、疑問なのですが、「今・ここ」に集中することが脳にとって心地よい状態であり、生物的にも生存に有利であるはずなのに、どうしてその状態をキープするのに疲れてしまうのでしょう?


ご回答。


脳に関する処方箋はなんでもそうですが、あまりイデオロギーというかモノカルチャーになってはいけないのです。


「今、ここ」に集中するといっても、過去のことを考えたり未来のことを心配するのも、「今、ここ」で起こっているわけですから、思考の流れの中でそのようなことがあっても良いのです。


むしろ、「価値判断をしない」ことが大切です。


過去や未来のことを考えても全くよくて、その時、それがいいとか、悪いとか、価値判断をしないのがいいのです。


価値判断が、私たちを「今、ここ」から切り離してしまうのです。


脳は自然に逸脱しようとします。それを抑えるのは前頭葉の働きですが、無理をすると疲れます。


自然な流れの中で、価値判断で決めつけずに。


おだやかでしなやかな一日を!

nounandemo
 
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