1141回
まいにちぱくぱくさん
こんばんは。
茂木先生、トラウマ?について 質問させてください。
虐待を受け育った人は虐待をしてしまう、離婚した家庭で育った人は離婚をしてしまう、、などといった運命の繰り返しについて教えてください。
この呪縛から逃れる方法はないでしょうか。
上記のどちらも当てはまる幼児期を過ごして参りました。絶対に繰り返さない、私の世代でこの運命を断ち切りたいと強く思って生きてきましたが、回避したくとも、どうにも抜け出す方法が見つからず、苦しいです。
壊したい衝動に駆られる、と言うよりは、家族の絆を心底信じる力がないのだと思います。
主人との間に何かあると、出て行った父のことを思い出し、人は案外希薄で、自分以外のものなんて簡単に捨てられるものなんだ、と諦めてしまいそうになるのです。そして、忍耐強く繋がり続けることの大切さを投げ出してしまいます。
また、子供に対しても、我慢の限界に達した時 叩いてしまったり、暴言を吐いてしまったりする事を防ぎきれないのです。
怪我をするようなものではないのですが、子供の心を想うと辛く、また、私のようにそのインパクトが子供の運命を引きずり回すことが本当に心配でもう二度と繰り返したくないのです。
精神科も受診しましたが、薬物療法は子を育てていく上で賢明とも思えず、カウンセリングはあまりに高額過ぎて続けられるものではありません。
何故か、子供にパチン!と叩いてしまう時には、父や母から受けた罵倒や暴力を振るう行為を重ねて思い出しています。
そして、そんな日はショックで眠れません。
子どもへの思いで胸がいっぱいになり、あまりに可愛そうで寝ていてもドキッとして目が覚めるのです。
普段は和やかに、お散歩をしたり、折り紙をしたり、子どもと楽しく遊んで過ごせています。
男の子なので、悪ふざけが過ぎてあまりに言う事を聞かない時、成長の節目でのしつけの際にどうしても激昂してしまいます。
何かいい方法をご存じであれば、ぜひ教えてください。よろしくお願いします。
ご回答。
ネガティヴな経験をした方が、それと似たようなことを繰り返してしまうという傾向がたとえあったとしても、それは「統計的相関」に過ぎません。
人間の脳は案外柔軟に、自分の未来を変えていくことができるのです(可塑性、plasticity)。
その際に鍵になるのが、今回、まいにちぱくぱくさんが書かれているような自分を見つめる行為、ふりかえりです。
前頭葉を中心とする回路が、そのようなふりかえり、メタ認知をすることで、次第にコントロールができるようになってきます。
たのしいこと、うれしいこと、おだやかなことに目を向けて、それとは異なる感情が出てきたときにはスルーしたり、抑えたり、ちらしたりする練習をされてください。
そうしたら、少しずつ、ご自身の気持ちが変わっていきますよ!
運命がたとえあったとしても、変えられない運命などないのです!
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