ランニングしているときに、道端に大黒様があって、それなりにふるいものらしかった。


 それで、由来が書いてあったから、それを読みながらぼんやり立っていたら、さささと歩いてきたおじいさまが、大黒様の前に立って、さっと手を合わせて、とても礼儀正しくおじぎなさったのだった。


 それから、おじいさまは、思いを込めたようにしばらくそこに立って、そこからさささとまた歩いていかれてしまった。


 それで、単にぼんやりと立っていただけの私は、なんだかとんでもない不届き者のような気がして、大いに反省して、ちゃんと大黒様に手を合わせて、お祈りいたしたのでした。


(クオリア日記)