1133回



ぶたPTさん


茂木先生あけましておめでとうございます。
いつも楽しく拝見させて頂いております。

わたしは理学療法士を商いとしています。
仕事柄、本や論文、資料等に目を通す機会が多いのですが、
読むスピードが遅いのです。

子供の頃、マンガや教科書を読むときも頭の中で会話のスピードで読み上げていました。またみんなこのように読んでいるものかと思っていました。
この癖が抜けにくく、早く読む練習をするのですが、内容が入ってきません。
練習しかないと思っていますが、より効率的な方法等はあるのでしょうか?
また、わたしの脳内の神経回路は、どのような働きで復唱しないと理解できなくなっているのでしょうか?笑
何かアドバイス頂けたらと思います。


ご回答。


読書を、視覚情報を文字として認識して、その意味を理解することだとすると、

いわゆる音読は、


視覚情報ー>文字認識ー>音声情報ー>意味


という経路を通っていることになります。

一方の、黙読、というか、内的な読み上げを伴わない理解は、


視覚情報ー>文字認識ー>意味


とステップが一つ短いので、速いのです。

また、視覚は音声と違って並列処理ができるところがあるので、いわゆる速読をするときには文字列全体をパターンとして認識することになります。


読むスピードは、速ければよいというわけではなくて、特に連想とか、関連情報の処理という意味、さらには発想や想像、創造という意味では、遅いテンポ設定で、ゆっくり読むことにも意味があるのです。


もし速読を訓練したいのでしたら、ネットで検索すればいろいろな方法論が提案されていると思います。


私自身は速読には上に挙げたような理由で興味がないのですが、(必要に迫られてやることはありますが)、もしご関心がおありでしたら、少しサーチしてみてはいかがでしょうか?

nounandemo
 
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