ぼくが、「日本のお笑いはオワコン」と発言して、いろいろご批判を受けて、謝罪して撤退したのはもう二年近く前のことだと思うけれども、そろそろ、日本も批評的笑いが表舞台に出てきてもいいと思う。


 日本のお笑いはオワコンとはもう言わないけれども、逆に、もっと多様性があっていい。


 誰も傷つけない笑いがあってももちろんいいけれども、社会的、政治的なネタを扱う笑いがあってもいい。


 逆に、テレビなどのメディアでそのような笑いがほとんどないことの方がふしぎだ。


 差別とか、偏見のことを笑いにしていい。


 在日韓国人の方のこととか、タトゥーのこととか。


 格差のことも笑いにしていい。


 そうすることで、脳はメタ認知の階段を上がれるし、なによりも、批評性のある笑いで、脳はほぐれて、やわらかく考えられるようになる。


 2020年、そろそろ日本でも、批評性の笑いがもっと前面に出てきていい。


 Netflixやユーチューブなどで、いくらでも海外の批評的笑いを卓越した技量でやっているコメディアンが見られるようになっているんだから、業界のひとはどんどんパクっていいし、番組としても成立させていい。


 逆にやらない理由がよくわからない。


 パイオニアは、きっと、称賛される。


 村本大輔さんは、きっと、笑いにおける野茂英雄さんになる。


(クオリア日記)