1113回


Mahiroさん


男性・10代・学生・長野県

アートにおける審美眼についてお聞きしたいです。ぼくは、茂木さんの「クオリア降臨」などの芸術評論を大変面白く読ませてもらっています。特に、「クオリア降臨」の中の見られることの喜びと悲しみという章はぼく自身の切実な問題とも絡んで印象に残っています。他にも、別の方の評論も読んだりして素人としては知識はそこそこあるつもりです。しかし、独力でアートの良し悪しを判断出来るかと言われれば自信が持てません。茂木さん含め、ぼくが尊敬する人の芸術評論は皆美しく感銘を受けます。なので、ぼくもその人たちのように自分自信の基準がそのまま普遍性に繋がるような、決して独りよがりにならない判断が出来るようになりたいです。ここで質問なのですが、アートに対する感受性や審美眼のようなものは養うことが出来るのでしょうか?また、出来るとしたらどうしたらいいのでしょうか?こういうことを人に聞くのは間違ってるかもしれませんが、お答えていただけると嬉しいです。


ご回答


結局、認識というのはパターンの数にどれくらい触れているかですから、たくさん「ほんもの」に接するしかないのです。


とりわけ、アートの場合は、実物とそのデジタルな再現(写真や映像)とは決定的に違うので、ほんものを見続けるしかありません。


(なぜ実物とその再現が違うのかというのは興味深い問題なので、考えてみてください)。


その際、自分はこのジャンルが好き、という仮説にこだわらずに、とにかく広く深く見ていただきたいのです。


また、見ているときに、その作品についての評価や歴史を参照することはもちろんかまわないのですが、できれば、自分自身の心が何を感じているのか、対話してみてほしいのです。


そうすれば、次第に、自分の中にアートに対する態度のようなものができてきて、それは人生に対しても福音になると思います。


『クオリア降臨』、読んでくださってありがとうございました!

nounandemo
 
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