先日、街を歩いていたら、達人がいらした。
昼下がりの大都会の雑踏の中。
その方は、串刺しのイカと、チューハイを傍らに置き、おりしもそのあたりにたっぷりさんさんと降り注いでいる太陽の中で眠っていらした。
その時間のそのあたりにひだまりができるということを熟知して、そのしばらく前からイカとチューハイで一杯やられて眠ってしまわれたのだろう。
バンクシーが先日ベンチに横たわるホームレスの方からサンタクロースのトナカイの橇が出発しているアートワークを発表していたけれども、あれは案外核心をついていて、そういえばサンタクロースのひげは路上にいる人がときおりたくわえるひげに似ている。
(クオリア日記)