連続ツイート2379回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。


私は、NHKの大河ドラマは沢尻エリカさんの撮影、編集が終わっている部分はそのまま放送して良いという立場だった。しかし、NHKが大変だったろう関係者の調整を終えて、川口春奈さんを代役として立てることを決められた以上、NHKの関係者、そして川口春奈さんを応援したいと思う。がんばってください!


ケンブリッジ留学中、ときどきロンドンまで行ってオペラや演劇を見た。そんな時、ときおりこんなことがあった。幕が開く前にきちんと正装した支配人が出てきて、幕の前に立つ。その瞬間に観客たちは悟ってざわざわする。誰だろう? キャストの誰かが体調不良などで、代役を立てるというアナウンスだ。


支配人が幕の前に立って、おわびし、代役を発表する際の感情は独特で、緊張感と、落胆、そしてちょっとしたわくわく感がある。出られなくなったキャストの歌や演技が見られないのは残念だけれども、代役の方のパフォーマンスに興味と期待が高まる。何よりも、急に代役に立ったその人を応援したくなる。


そして、幕が開き、代役が立つ。たいていは若手の人で、思わず訪れたチャンスを活かしたいと懸命である。すばらしい出来のときもあれば、まあまあの時もある。いずれにせよ、無事代役を果たし終えて、最後のカーテンコールになったときには、一段と大きな拍手が起きるのが通例であった。ドラマである。


The show must go onという。どんなことがあっても、ショーは続かなければならない。主役のひとりが出られなくなるという事態があっても、代役が立ち、見事にこなし、そしてチャンスをつかんでいく。そのようなダイナミズムが劇場の魅力であり、観客もそのプロセスを楽しんでいたように思う。


ロンドンでの劇場体験を、私の記憶の限りふりかえると、支配人が開幕前に幕の前に出てきて代役をアナウンスするまでは、劇場では一切そのような情報は示されておらず、あれは、いろいろな事情があるのだろうけれども、やはりひとつの劇的体験としての効果をいやが上にも高める意図もあったのかと思う。


書いていて思い出したが、私は三代目市川猿之助さん(二代目市川猿翁さん)の熱狂的なファンで、ある時『義経千本桜』の四の切を見にいった時に猿之助さんが体調不良で市川右近さん(現在の三代目市川右團次さん)が代役をつとめられた舞台を拝見したことがあった。見事に演じられて満場の拍手だった。


NHK劇場の支配人が、開幕の前に幕の前に立ち、観客が息をのんで見つめる中、「本日出演予定でした沢尻エリカさんが体調不良のため代役として川口春奈さんが出演します」と告知する。劇場内に一瞬ため息が流れた後、激励と期待の拍手が起こる。そのような想像の中で今回の事態を昇華したい。がむばれ!


以上、連続ツイート2379回「主役が交代しても、ショーは続かなければならない。NHK、川口春奈さん、がむばれ!」をテーマに8つのツイートをお届けしました。

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