1069回
めろたんさん
茂木先生、こんばんは。
東京の大学3年 めろたんです。
多文化共生について学んでいます。
差別が生まれるのは、経済的な格差があるからで、富の再配分をすれば、均一な社会ができて差別が生まれづらい と言った内容の記事を見ました(どこの記事か忘れてしまいました)。
僕は、一生懸命に頑張った人がいい仕事につけていい給料を貰えると信じていたので、それを読んで驚いた一方 納得する部分もありました。たしかに、お金持ちのお金はたまたま社会のお金がそこに集まっただけで、元はみんなの経済活動だから配分すべきかもしれません。
茂木先生は、多文化共生のために富の再配分をすべきだと思われますか? 又、富の再配分をどのようにすべきだとお考えですか?
追記
1ヶ月ほど前に 付き合って半年経ち、彼女の嫌なところが目につくようになった という質問をさせていただきました。その説はお世話になりました。ご回答、やっぱりすごいなと感心してしまいました。ありがとうございました。おかげさまで、現在も付き合っています。
ご回答。
まずは、彼女となかよくしていらっしゃること、すばらしいです!
すてきなクリスマスシーズンを!
今回ご質問いただいたこと、まさに世の大人たち、もっとも賢い人たちが現在も激しい論争を続けている点で、そう簡単に答えはないように思います。
一つ明らかなことは、人間は自律性のもと創意工夫や行動をしたいと思っていて、その背後には少なくとも部分的な利己的動機があるということです。
より一般的に言えば生物進化の大原則ということになります。
やはり鍵は配分、バランスで、たとえばベーシックインカムとリバタリアンの組わせのように、人々の創意工夫とその果実の享受を認めつつ、一定のセーフティネットは実現するという方向が正しいとは多くの人が直感的に思っているわけですが、その具体的なバランスと認知的設計については百花繚乱なのではないでしょうか。
めろたんさんが多文化共生について学びつつこのような問題意識を持たれたことは大切なことだと思います。
3年ということは、いよいよ専門的な研究、そして卒論へと進むと思うのですが、ぜひ、いろいろと考え続けてくださいね!
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